■Hans Kelsen, General theory of law and stateまとめ8

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Hans Kelsen, General theory of law and stateの私的備忘的まとめです。2007年の第2刷版を用いています。

Part1 THE LAW

■NOMOSTATICS

■\ 法的人格

C.法人
e.秩序への帰責(p.99。略)

f.人格化された秩序としての法人(pp.99−100)
法人は、個人を規制する諸規範の複合体を人格化したものである。

国家を構成する法秩序は全体的法秩序であるが、法人に関係する法秩序葉部分的法秩序である。

g.法人の義務付け、権利付け(p.100)
国家法秩序は機関の行為を規定するが、機関として行為する人物についてなどは、法人の内部秩序に決定を委ねる。国家法秩序はここでは間接的な関与にとどまる。

国家法は法人に権利義務を付与するが、それは実際に法人の行為をすることを義務付けられ、権威付けられる者まで決定することを意味しない。

h.補助概念としての法人概念(pp.100−101)
補助概念としての法人概念の有用性:機関が行う法人を代表する法的取引、訴訟行為、民事責任が法人財産に限定されるなどの効果を国法が認める場合に、法人概念は有用となる。このような効果が問題となる場合に法人の権利義務が問題となるが、社団構成員が社団と無関係に有する個人的権利義務の取得方法と、法人の権利義務の取得方法の差異を考慮する際に法人概念は有益となる。

i.法人の権利義務:人の集合的権利義務(pp.101−103)
法人が義務を有するということを意味するために、法人が権利を有すると言うことを理解しなければならない。

法人が義務不履行の場合、それに対する制裁は、法人財産とみなされ得る財産に対して執行される;法人財産は金銭価値を示す権利の総体のみを意味するが故に、法人は権利を有する。
法人が権利を有しこれに対応する義務が不履行の場合は、法人のために内規で定められた個人のみが権利確保の訴訟を遂行する。

権利を「享有する」という場合、この意味においては人間のみが権利を享有できるのであり、あくまで法人の権利と解釈される権利を有するのは、法人に属する個人のみである。但し権利を有する個人は、その権利の私用が彼の意思に任せられるが、法人の権利は内規による規制がある。
→法人の権利は、法人として示される共同体を構成する部分法秩序により行動が規制されるところの諸個人の権利の集合である。

j.法人の民事上の不法行為(pp.103−104)
義務不履行の場合における不法行為責任は法人に帰属するか←当該不法行為が、法人を構成する部分法秩序により定められている場合には、帰属を肯定できる。butこのような「定め」は妥当ではない。

機関による不法行為は、通例機関としての能力の下での行為をしていないので、法人に不法行為は帰属しないが、不法行為が、機関として果たさねばならない機能とある関係に立っている場合、法人は当該不法行為について責任を負わねばならない。

k.法人の刑事上の不法行為(pp.104−107)
刑事上の不法行為は法人に帰責できるか、刑事制裁について法人は責任を負うか←無条件に否定的に解されてきた。

*国際法の世界
法人としての国家は、国際法上の義務不履行の主体となるし、不履行を国家に帰属できる。国際法上の制裁(e.g.戦争)は、刑罰とは解されないものの、刑事法上の制裁と同じ性格を有する。
上で述べた制裁が、法人として示される共同体すべての構成員に対し(集合的に)向けられる場合、法人に対し制裁が向けられたと看做し得る。

l.法人と代表(pp.107−108)
個人が人たるについて意思を有さなければならないとすると、法人も同様のことが言えるが、法人について「意思」は言えないので、機関が「法人の名において」とか「法人に代わって」意思を表明し、そこに法人の権利義務獲得の効果を法律家は見出そうとする。ここには、幼児と親の間における権利帰属関係(親が幼児に代わって…)からの類推の思考方法が見出される。

但し「機関と法人」、「幼児と親」という関係については重要な差異がある。前者は、個人と特別の法秩序間の関係であるが、後者は個人と個人との関係である。また法人機関は「代表」、法人の構成員を代表する点でも異なる。そしてこの類推は(後者における?)「同意がない事案」においての説明に苦労することになる。

m.実在(有機体)としての法人(p.108)
上述の幼児と親といった関係からの類推で法人を考える説の最大の誤りは、法人を人間の類と考えるところにある。この点でこの説は、法人は実在である、現実的な意思を有するという説と異なるところはない。

*法人を実在と考える説→アニミズム的思考。

n.人の組織としての法人(p.109)
法人を組織として理解する場合、個人が共同体を組織するという主張が以下の事実の超比喩的表現、すなわちここでの個人の行為が法人を構成する法秩序により規制されると言う事実であるということを見落とすことになる。