■Hans Kelsen, General theory of law and stateまとめ4

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Hans Kelsen, General theory of law and stateの私的備忘的まとめです。2007年の第2刷版を用いています。

Part1 THE LAW

■NOMOSTATICS

■X 法的責任

A.過失責任、絶対的責任(pp.65−67)
2種の責任:@過失責任 A絶対的責任

古代法の責任:絶対責任 行為が、立法者が有害と考える結果をもたらしたということで十分であり、行為を意図したとか、予期した心理的状態は考慮されない。

洗練された法技術は、行為者が自己の行為の結果を意図や予期した場合と、そうでない場合を区別し、前者にのみ制裁を結びつけるが、このことは近代法には完全な形で受容されてはいない。
近代法において個人は、客観的に有害な結果が1.悪意をもってなされた場合、2.悪意はないが結果が意図された場合、3.意図はないが予期された場合、予期できたにもかかわらず行為に出た、という3類型に責任を負った(?)。

*メンズ・レア、クルパ、ドールスの説明(?)

古代法においては、他者に発生する有害な効果が避けられ得る必要な手段をとることを命じない(必要な手段があったにもかかわらず有害な行為がもたらされた場合、それに対し制裁が結び付けられた)。近代法では、責任を有害な行為の結果が避けられる手段をとるという義務の不履行に責任を限定する傾向がある。

B.義務と責任、個人的責任と集団的責任(pp.68−71)
法的義務と法的責任の区別は、制裁が直接の義務違反者者ではなく(ばかりでなく)、法的に彼に結び付けられた人に(人にも)向けられるという場合に必要となる。

e.g.A国機関によるB国領土占領という不法行為。Bによる反撃はA国国民にも及ぶ。
→「法人」という技術を用いれば、法的義務の主体と制裁が向けられる主体は一致するが、法人構成を用いない場合、不法行為の主体はA国機関であり、制裁の客体はA国国民となる。

法的義務:法規範を守る、守らない権限のある人間の行為に制裁が結び付けられている場合。
法的責任(不法行為に対する):制裁が向けられるところの個々人(法的義務違反者と彼に法的に結び付けられた関係を有する個人)。

文明化を経た法制度:自己の行為のみ、自分が犯した不法行為のみに責任を負う。

義務違反者以外にも制裁が向けられる場合(集団的責任)は絶対的責任の性質を持つ。

C.オースティンの義務概念
a.義務と責任の区別なし(p.71)
オースティンは、直接の不法行為者に対しある法的関係に立つ者に制裁が課される事例に意識しなかったので、義務と責任の区別に気が付かなかった。

b.心理的拘束のない法的義務(p.71−72)
個人が法的にいっていの行為を義務付けられているという主張は、ある法的規範の内容についての主張であり、義務付けられた人の精神的状態についての主張ではない。

c.制裁の恐れとしての義務(pp.72−73)
オースティン:当事者が義務付けられるのは制裁への恐れがあるから。⇔本来オースティンによれば、法は命令の体系である。また指令の分析は恐れについての心理的事実を打ち立てるものではない。

またオースティンは、「法の不知は恕せず」という実定法の原理を否定しない。⇔義務の実効性について、実際に所与の行為が法違反になることを知っているという要件(2つの要件の内の第2要件)が必要とする。

d.義務についての心理的概念と分析法学(p.74)
制裁を実効足らしめるために、オースティンのいう2つの要件は必要ではない。