■法学部法律学科「憲法概論」講義ノート(1995-1996)Page 11

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管理人が大学1年生のときに履修した「憲法概論」講義においてまとめたノート(1995-1996年分)です。憲法学習にお役立てください。できる限りノートをそのままアップロードしてありますが、意味不明なところなどは訂正してあります。またこのページの文責は管理人本人にあります。

■95年12月1日分

■違憲審査制度

*違憲審査制度(81条) 
これが通常裁判所にある場合:付随的違憲審査制(アメリカ型)⇔抽象的違憲審査制(独仏、ヨーロッパ大陸法系)

違憲審査の対象 一切の法律、命令、規則又は処分

条約は違憲審査の対象となるか

条約優位説 対象とならない
憲法優位説 対象となる(通説) ∵憲法により作られた機関である内閣が締結した条約の効力が、憲法より上とはおかしい

cf.砂川事件 最高裁は統治行為論により憲法判断を回避した。高度の政治性を有する条約の違憲判断は、政治部門に任せる

統治行為論否定説も存在する(その根拠確認)

なんでも統治行為のカテゴリーに入れるのは正統ではなく、自律権などで片がつく問題はそれで解決すべき

*付随的違憲審査制におけるブランダイス・ルールの原則

恵庭事件 法律の解釈により憲法判断を回避
長沼事件 憲法判断回避が許されない場合を提示

合憲限定解釈 違憲審査においてまず法律が合憲となるかを解釈すること cf.公務員の争議行為の事案など

判決の方法
法令違憲(尊属殺、議員定数問題、薬事法事件、森林法事件の4件のみ)判決と適用違憲判決

違憲判決の効力
個別的効力(当事者間にのみ効力を生じる)と解する cf.抽象的違憲審査制の下では異なる(一般的効力)←一般的効力は、日本においては41条との関係で問題を生ずる。

■平和主義

*政治上の9条解釈の混乱による、国民意識の混乱に注意

自衛隊がいるのか、いらないかとは別に、9条の法解釈を行う(9条をどう受け止めるか考えた後、自衛隊と9条の関係を考察する

平和主義の背景
フランスに端を発する→第1次大戦の影響→国際法分野での戦争の制限→不戦条約→第2次大戦→各国憲法の変化

日本国憲法の平和主義は、他国の憲法と比べ、戦争放棄が徹底されている。

■95年12月15日分

■平和主義(続)

*印象、感覚的見地から自衛隊を判断することはだめ:憲法をもとにした政治をする必要がある。

前文−9条の関係を捉える必要がある

平和的な外交による安全保障→日本の平和・安全の確保
安全保障=軍備ではない 安全保障=軍備とすると日本の平和・安全の確保にとって脅威となる。

平和的生存権:自国民のみならず他国民も平和に生存することを要する。
一国平和主義ではない:非軍事的手段で国際貢献を目指す

前文の制度化=9条である

9条1項 一切の戦争を放棄
9条2項 1項目的達成の手段を放棄、交戦権の否認

9条の解釈論については、全面放棄説(通説、1項全面放棄説と2項全面放棄説)と、部分放棄説(少数説)がある。

*俗に言われる芦田修正については証拠がない。実際芦田は1項全面放棄説をとったことに注意。

2項全面放棄説は「国際紛争を解決する手段としては」という文言にウエイトをおく。ここでいう国際紛争を侵略戦争ととらえるので、1項では自衛戦争は放棄されていないとする(国際紛争という文言の歴史的経過を根拠とする)。

批判
不戦条約と昭和憲法とでは時代が異なっている。
自衛戦争も国際紛争を解決する手段でなのでは?
自衛戦争と侵略戦争の区別はつかないことが多い
1項では侵略戦争は放棄されていないが、2項になって放棄されたとする解釈の不自然さ

限定放棄説−侵略戦争のみ放棄=9条

批判
戦争や軍隊を予想した条文がない→普通自衛戦争を認める場合は、戦争や軍隊に関し憲法条文に規定される
自衛用戦力、侵略用戦力の区別はできるか。cf.核兵器も自衛のためなら保有できる(政府見解)

なお政府公式見解は、9条の解釈論につき学説と同じ立場に立つ→自衛隊は何故存在するのか、その根拠は?←自衛権論という別の根拠を持ち出す。