■法学部法律学科「行政法総論」講義ノート(1996-1997)Page 5

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■96年6月13日分

■行政の行為形式

行政法学の対象 法規範の実施について←どのようなパターンがあるか

@国民の行動→行政→行政上の決定(申請→行政決定)e.g.許認可

行政指導→申請→受理→審査(聴聞、審議会、行政の調査)→決定(行政処分) 
*これらの活動が、行政の行為形式の問題

A行政による事実認定→行政上の決定 e.g.違法行為の場合

調査→行政指導→通知→聴聞→決定 決定に従わない場合:行政代執行など

B公の施設の設置、公共事業

企画、立案(予算を前提とする)→調査→予算議決→買収契約→契約交渉に相手方が応じない場合:強制収用(土地収用法。但し強制収用は実際にはあまり使えず、実際使うのは難しい)→建設(工事業者選定の問題)

■行政に対する国民の地位

国民は行政に対してどういう地位に立つか

1.人権主体としての地位(個々人の権利が問題)

違法な行政行為→救済の必要
行政事件訴訟法による救済、国家賠償請求権の行使、デュープロセス条項の行政手続への準用など
*これらは基本的に救済のための事後手段。本来は事前救済が望ましい(日本は不十分)

**何が権利の侵害か?→その範囲、特に第三者の権利がかかわる場合問題となる→行訴法(原告適格の問題)

2.主権者としての行政活動への参加(権利侵害とは必ずしも関係があるわけではない)

主権者の意思をどう行政に反映させるか?→現行では不十分な点が多い 
情報公開制度の活用

行政決定に対する住民投票制度の導入は如何→理論的には難しい
どの決定につき投票をするか、投票権者は、投票の効果はといった問題がある

意思決定プロセスの民主化、情報公開、これらが必要とされている

憲法16条 請願権の行使←これを今後うまく使うことが必要

■96年6月20日分

■行政の行為形式−行政立法−

国会による立法…細かいところまで規定しているのではない→行政立法の必要性

行政立法 行政による法定立行為 *さまざまな自体に対応できるようにする

行政による法定立の根拠 原則憲法41条 例外73条6号(法律を実施するための内閣の政令)

行政立法(法規範である)−独立命令、広義の委任命令
行政規則(法規範でない。行政の内規にとどまる)

独立命令 国会とは無関係の立法作用。旧憲法下では認められていたが現行憲法下では認められていない。

*広義の委任命令には、法律があることを前提とし、執行命令と狭義の委任命令の2つがある
執行命令 法律に委任する条項はないが、行政が実施の段階で細かく定める
狭義の委任命令 法律による委任がある場合

国民の権利義務に関係することは必ず狭義の委任命令によらねばならない cf.内閣法11条

**行政規則の定立に法律の根拠は不要。特に通達などは法的性質の再検討を要する

告示(決定事項その他の事項を公に知らせること)は行政立法(法規範)なのか→ケースバイケースで判断する

行政立法については「法律による行政の原則」が大切。行政立法は実務上必要といえども、原則は大切にする必要がある

行政立法の歯止めとしての内閣法11条についても、どこまでが権利義務関係で、他がそうでないのかの区別は曖昧であるという問題が残る

■委任命令の限界

@委任の方法 個別、具体的であることが必要

権利義務関係を内容とする国家公務員法102条の問題:人事院規則で定める政治的行為はしてはならない←個別、具体的ではなく、非常に包括的な形で委任していないか
多数説は違憲、判例は合憲

委任命令の内容 委任の範囲を超えているか、が問題
行政立法の事後的チェックを担当する機関が日本にはないことの問題性