■公務員試験過去問分析(契約各論2、賃貸借他)

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■賃貸借契約他(国家公務員2種試験〔2006年〕)

典型契約としての使用貸借、消費貸借及び賃貸借に関するア)−オ)記述のうち、妥当なもののみをすべてあげているのはどれか。

ア) 使用貸借は、当事者の一方が種類、品質及び数量の同じ物を返還をすることを約して相手方からある物を受け取ることを約することによって、その効力を生ずる。

イ) 使用貸借の借主は、貸主の承諾を得なければ、第三者に借用物の使用または収益をさせることができず、借主が貸主の承諾を得ないで第三者に借用物の使用または収益をさせたときは、貸主は契約を解除することができる。

ウ) 利息付の消費貸借において、物に隠れた瑕疵があったときは、貸主は瑕疵がない物に代えなければならず、この場合においては、借主は損害賠償を請求することもできる。

エ) 賃貸借は、当事者の一方がある物の使用及び収益に対する賃料を支払うことを約して、相手方からその物を受け取ることによって、その効力を生ずる。

オ) 賃貸借の借主は、貸主の承諾を得なければその賃借権を譲り渡し、または賃借物を転貸することができないが、借主が貸主の承諾を得ないで第三者に賃借物の使用または収益をさせたとしても貸主は借主に対して損害賠償を請求できるだけで、当該賃貸借契約を解除することはできない。

1) ア)、エ)

2) イ)、ウ)

3) エ)、オ)

4) ア)、イ)、オ)

5) イ)、ウ)、エ)

■解説

ア) 誤り。使用貸借契約は要物契約である。よって「相手方からある物を受け取ることによって、その効力を生ずる」(593条)。

イ) 正しい。594条2、3項。

ウ) 正しい。590条1項。

エ) 誤り。賃貸借契約は諾成契約である(601条)。賃貸借契約は、契約当事者の口頭の合意のみで有効に成立する。藤岡−磯村−浦河−松本『民法W』第3版補訂(2009年、有斐閣)8頁。

オ) 誤り。貸主の承諾を得ない転貸借の場合、賃貸人は賃借人との賃貸借契約を解除することができる(612条2項)。

正解は2)となろう。

■賃貸借契約(国家公務員2種試験〔2007年〕)

Aの所有する土地がBに賃貸され、さらにCに転貸されて、実際にCがその土地を使用している事例に関するア)−オ)の記述のうち、判例に照らし、妥当なもののみをすべて挙げているのはどれか。

ア) Aに無断で転貸借契約がなされた場合には、Cの土地の使用によりAB間の信頼関係が破壊されているか否かを問うことなく、Aは賃貸借契約を解除することができる。

イ) Aの承諾を得て転貸借契約がされ、その後、Cが土地の所有権を取得した結果賃貸人の地位を有するに至った場合であっても、転貸借関係は、BC間でこれを消滅させる合意がない限り当然には消滅しない。

ウ) Aの承諾を得て転貸借契約がされ、その後、Bが賃料の支払いを遅滞したためAが賃貸借契約を解除しようとする場合には、特段の事情がない限り、Aは解除前にCに対して当該遅延延滞料を支払う機会を与えなければならない。

エ) Aの承諾を得て転貸借契約がされ、その後、Bの債務不履行を理由にAが賃貸借契約を解除した場合には、転貸借契約は、原則としてAがCに対して土地の返還を請求した時に、BのC転貸人としての債務の履行不能により終了する。

オ) Aに無断で転貸借契約がされた場合には、Aは賃貸借契約を解除しなくても、Cに対して所有権に基づき土地の明渡を請求できる。

1) ア)、イ)、ウ)

2) ア)、ウ)、オ)

3) ア)、エ)、オ)

4) イ)、ウ)、エ)

5) イ)、エ)、オ)

■解説

ア) 誤り。賃借権の無断譲渡や無断転貸借の場合であっても、賃貸人に対する背信的行為と認めるに足らないような特別の事情がある場合、賃貸人の解除権は制限されるというのが判例である(信頼関係法理。最判昭和28年9月25日)。前掲藤岡他129頁。

イ) 正しい。最判昭和35年6月23日。転借人CのAに対する義務は混同により消滅するが、転貸借関係は、BC間で消滅させる特別の合意がない限り、当然には消滅しないというのが判例である。。

ウ) 誤り。AはCに対して義務を負わない。この場合Aは、Bとの賃貸借契約を解除すれば足りる。

エ) 正しい。最判平成9年2月25日。前掲藤岡他129頁。

オ) 正しい。最判昭和26年5月31日である。

正解は5)となろう。