■公務員試験過去問分析(契約各論1、売買契約)

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■売買契約(国家公務員2種試験〔2008年〕)

売買契約に関する次のア)−オ)記述のうち、妥当なもののみをすべてあげているのはどれか。ただし、争いのあるものは判例の見解による。

ア) 他人の権利を売買契約の目的とした場合において、売主が当該権利を取得して買主に移転することができないときは、買主は、売買契約の当時、当該権利が他人のものであることを知っていたときでも、売買契約を解除することができる。

イ) 売買契約の買戻しの特約を付した場合において、その売買契約の売主は、買戻しの期間内に買主が支払った代金及び契約の費用を提供しなければ、買戻しをすることができない。

ウ) 売買契約に買戻しの特約を付す場合は、必ず、買戻しの期間を定めなければならない。

エ) 売買契約が買主の債務不履行により解除された場合は、買主から手付が交付されていたとしても、売主はその返還義務を負わない。

オ) 売買契約に際して買主から手付が交付されている場合は、買主が代金を直ちに支払えるよう準備をして、売主に履行の催促をしたときでも、売主は手付の倍額を償還して契約を解除することができる。

1) ア)、イ)

2) ア)、ウ)

3) イ)、エ)

4) ウ)、オ)

5) エ)、オ)

■解説

ア) 正しい。他人物売買において「売主がその売却した権利を取得して買主に移転することができないときは、買主は、契約の解除をすることができる」(561条)とあるように、解除については善意悪意を区別していないからである。但しこの場合における損害賠償請求は、「善意者のみ」がなし得る。

イ) 正しい。579条。

ウ) 誤り。買戻しの期間は定める必要はない。定めない場合買戻しの期間は「年」とされ、定めた場合は「最長で10年」となる(580条1、3項)。

エ) 誤り。債務不履行解除の効果として原状回復義務(545条1項)があるので、手付も返還する必要があるが、この手付が違約手付の性質を持つ場合は、売主は手付を没収できる(420条3項参照)。藤岡−磯村−浦河−松本『民法W』第3版補訂(2009年、有斐閣)68頁。

オ) 誤り。「買主が代金を直ちに支払えるよう準備をして、売主に履行の催促をした」ような場合は、「当事者の一方が契約の履行に着手」(557条1項)したといえるので、手付倍返しによる解除はできない。

正解は1)となろう。

■売買契約(国税専門官試験〔2007年〕)

Aが土地(以下「当該土地という」)を自己所有のものとしてBに売却した場合の担保責任に関する次のア)−オ)の記述のうち、妥当なもののみをすべて挙げているのはどれか。

ア) 当該土地の全部が他人Cの所有するものであった場合、AはCから当該土地の所有権を取得してBに移転する義務を負い、Aがこの義務を履行することができないときは、Bは当該土地がCの所有するものであることについて善意である場合に限り、売買契約を解除することができる。

イ) 当該土地の一部が他人Dの所有するものであった場合、AはDから当該土地の一部の所有権を取得してBに移転する義務を負い、Aがこの義務を履行することができないときは、Bは当該土地の一部がDの所有するものであることについて善意であるか悪意であるかを問わず、Aに対して不足部分の代金の減額を請求することはできるが、売買契約を解除することはできない。

ウ) 当該土地に抵当権が設定されており、その抵当権が実行されてBが所有権を失った場合、Bは当該土地に抵当権が設定されていることについて善意であるか悪意であるかどうかを問わず、売買契約を解除することができる。

エ) 当該土地の面積が100坪あると売買契約時に提示し、かつ、この数量を基礎として大金額を定めて売却されたが、実際に測量したところ90坪しかなかった場合、Bは、当該土地の面積が売買契約時に表示された面積より狭いことについて善意であるときは、Aに対して不足部分の代金の減額を請求することはできるが、売買契約を解除することはできない。

オ) 当該土地に地上権を有するEが存在した場合、Bが、当該地上権の存在について知らず、かつ、当該地上権が存在することによってBが契約の目的を達成することができないときは、売買契約を解除することができる。

1) ア)、イ)

2) ア)、オ)

3) イ)、エ)

4) ウ)、エ)

5) ウ)、オ)

■解説

ア) 誤り。561条は、解除権の行使につき善意悪意を区別していない

イ) 誤り。代金減額請求についての説明は正しいが(563条1項)、Bが善意であり、残存する部分のみであればこの土地を買わなかったという場合に限り、解除をすることができる(563条2項)。

ウ) 正しい。567条1項は、解除権の行使につき善意悪意を区別していない

エ) 誤り。善意者が解除をし得る場合もある(565条、563条2項)。イ)の解説を参照。

オ) 正しい。566条1項。

正解は5)となろう。