■公務員試験過去問分析(債権総論4、多数当事者間の債権関係)

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■連帯債務(地方上級試験〔2009年〕)

民法に規定する連帯債務に関する記述として、妥当のはどれか。

1) 連帯債務者の一人に対して行った履行の請求は、他の連帯債務者にはその効力が及ばない。

2) 反対債権を有する連帯債務者が相殺を援用しない間は、その連帯債務者の負担部分を超えて他の連帯債務者が相殺を援用することができる。

3) 債権者が連帯債務者の一人に対して行った債務の免除の効力は、他の連帯債務者には一切及ばない。

4) 連帯債務者の一人のために消滅時効が完成したときは、その連帯債務者の負担部分については、他の連帯債務者もその義務を免れる。

5) 連帯債務者の一人が債務の承認を行った場合、その効力は他の連帯債務者に対しても及ぶ。

■解説

1) 誤り。連帯債務者一人への「履行の請求は絶対効」を有する(434条)。野村−栗田−池田−永田『民法V』第2版補訂(1999年、有斐閣)133頁。

2) 誤り。この場合他の連帯債務者は、「負担部分についてのみ相殺を援用」することができる(436条2項)。前掲野村他132頁。

3) 誤り。連帯債務者一人への「免除は、負担部分」についてのみ絶対効を有する(437条)。前掲野村他133−134頁。

4) 正しい。439条。前掲野村他136頁。

5) 誤り。連帯債務者の一人が行った「債務の承認は、相対効」しか有しない(440条)。前掲野村他136−137頁。

■保証債務(地方上級試験〔2004年〕)

民法に定める保証債務に関する記述として、妥当なものはどれか。

1) 保証債務は主たる債務より軽いものであってならず、たとえば、主たる債務が15万円である場合に保証債務を10万円にすることはできない。

2) 債務者が保証人を立てる義務を負う場合に、制限行為能力者や弁済の資力を有しない者を保証人とすることはできないが、債権者がこれらの者を保証人として指名したときは保証人とすることはできる。

3) 保証人は債権者が主たる債務者に先立って保証人に債務の履行を請求してきたときは、債務者が破産手続開始の決定を受けた場合でも、先に当該債務者に催告するよう請求することができる。

4) 主たる債務の消滅時効が中断した場合、時効中断の効力は、主たる債務者に及ぶが、保証人には及ばない。

5) 主たる債務者の委託を受けて保証人となった者が、当該債務者に代わって弁済した場合、保証人は当該債務者に対し求償権を有するが、求償の範囲には、強制執行などにかかる費用や損害賠償を含まない。

■解説

1) 誤り。保証債務は主たる債務より軽くても構わないが、重い場合は主たる債務の限度に減縮される(448条)。

2) 正しい。450条1、3項。前掲野村他148頁。

3) 誤り。通常、債権者が主たる債務者に履行を催告せず保証人に履行を請求してきた場合、保証人は催告の抗弁権を行使できるが、主たる債務者が破産宣告を受けた場合は、催告の抗弁権を行使できない(452条)。前掲野村他151頁。

4) 誤り。主たる債務者に対する時効中断の効力は、保証人にも及ぶ(457条1項)。前掲野村他153頁。

5) 誤り。この場合の求償の範囲には、強制執行などにかかる費用、損害賠償を含む(459条2項、442条2項)。前掲野村他155頁。