■公務員試験過去問解説(行政法、行政事件訴訟法1)

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■訴訟類型(国家公務員1種試験〔2009年〕)

行政事件訴訟法の定める行政事件訴訟に関するア)−オ)の記述のうち、妥当なもののみを全て挙げているものはどれか。

ア) 「無効等確認の訴え」とは、処分もしくは裁決の存否またはその効力の有無の確認を求める訴訟をいい、当該処分または裁決に続く処分により損害を受けるおそれのある者で、当該処分もしくは裁決の存否またはその効力の有無を前提とする現在の法律関係に関する訴えによって目的を達することができないものに限り、提起することができる。

イ) 「不作為の違法確認の訴え」とは、行政庁が法令に基づく申請に対し、相当の期間内になんらかの処分または裁決をすべきであるにかかわらず、これをしないことについての違法の確認を求める訴訟をいい、処分または裁決についての申請をした者に限り、提起することができる。

ウ) 「当事者訴訟」とは、国または公共団体の機関の法規に適合しない行為の是正を求めるための訴訟をいい、選挙人たる資格その他自己の法律上の利益にかかわらない資格で提起することができる。

エ) 「機関訴訟」とは、国または公共団体の機関相互間における権限の存否またはその行使に関する紛争についての訴訟をいい、法律に定める場合において、法律に定める者に限り、提起することができる。

オ) 「差止めの訴え」とは、行政庁が一定の処分まは裁決をすべきでないにかかわらずこれがされようとしている場合において、行政庁がその処分または裁決をしてはならない旨を命ずることを求める訴訟をいい、当該処分または裁決がされることにより重大な損害を生ずるおそれがある場合であっても、その損害を避けるため他に適当な方法があるときは提起することができない。

1) ア)、イ)、ウ)
2) ア)、ウ)、エ)
3) イ)、エ)、オ)
4) イ)、オ)
5) エ)、オ)

■解説

ア) 誤り。無効等確認の訴え(3条4項)は、「当該処分又は裁決に続く処分により損害を受けるおそれのある者」ばかりでなく「当該処分又は裁決の無効等の確認を求めるにつき法律上の利益を有する者」(行政事件訴訟法36条)も提起することができる。なお、この36条の解釈については一元説二元説の対立がある。前説は、「@おそれのある者」かつ「A法律上の利益を有する者」が訴えを提起し得るとする(即ち「@+A」の場合提起し得る)。これに対し後説は、「@かAであれば」当該訴訟を提起し得るとする。なお最判昭和51年4月27日は、二元説と結論を同じくする。塩野宏『行政法U』第5版(2019年、有斐閣)226−227頁、櫻井敬子−橋本博之『行政法』第5版(2016年、弘文堂)324−325頁。

イ) 正しい。3条5項、37条。

ウ) 誤り。これは民衆訴訟の定義である(5条)。当事者訴訟とは、「当事者間の法律関係を確認し又は形成する処分又は裁決に関する訴訟で法令の規定によりその法律関係の当事者の一方を被告とするもの及び公法上の法律関係に関する確認の訴えその他の公法上の法律関係に関する訴訟」(4条)の事を言う。なお法改正に伴い追加された「公法上の法律関係に関する確認の訴え」という文言に注意。これは、抗告訴訟の直接の対象とならない行政上の行為によって紛争が生じた場合、その紛争における法律関係、権利義務関係につき確認の利益があるなら、当事者訴訟を利用すべきという立法者意思が示すものだと解されている。前掲櫻井他352頁、前掲塩野274頁。

エ) 正しい。6条、42条。

オ) 正しい。3条7項、37条の4第1項。

よって正解は3)となろう。