■公務員試験過去問解説(行政法、行政上の義務履行確保1)

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■行政代執行(地方公務員試験上級〔2000年〕)

行政代執行に関する次の記述のうち、妥当なのはどれか。

1) 行政代執行法による代執行は、代替的作為義務の不履行がある場合で、他の手段によってその履行を確保することが困難であり、その不履行を放置することが著しく公益に反すると認められるときでなければ行うことができないとされている。

2) 行政代執行も1つの行政手続である以上、行政手続法の適用を受けるとされている。

3) 営業停止命令による閉店義務といった不作為義務についても、代替性があれば行政代執行を行うことができる。

4) 第2次世界大戦後、それまで行政上の強制執行の一般法であった行政執行法が廃止されたのに伴い、代執行、直接強制、執行罰はいずれも一般的手段としての地位を失い、個別の法律に明文の根拠がなければ行うことができなくなった。

5) 行政代執行法による代執行に要した費用の徴収については、国税滞納処分の例によることが認められていないので、民事法上の手続により強制執行する必要がある。

■解説

1) 正しい。行政代執行法2条。

2) 誤り。代執行については行政手続法の適用がない(行政手続法2条4号但書イ)。塩野宏『行政法T』第5版(2009年、有斐閣)282頁

3) 誤り。代執行の対象は代替的作為義務なので、営業停止命令といった不作為義務実現のために代執行をすることはできない。なお例えば、閉店義務実現のために店舗の戸口を閉鎖するという行為は、直接強制と評価されることになろう。前掲塩野236頁。

4) 誤り。行政執行法の廃止に関する記述は正しい(前掲塩野222頁、櫻井敬子−橋本博之『行政法』第5版〔2016年、弘文堂〕166頁)。しかし代執行については、行政代執行法が代執行にかかる一般法として存在しているので、代執行に際し個別法律における明文の根拠は必要でない(前掲塩野231−232頁、櫻井他166頁)。なお直接強制、執行罰については個別の法律に明文の根拠がなければ行うことができない。

5) 誤り。行政代執行法6条1項。