■公務員試験過去問分析(憲法、思想良心の自由)

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■思想、良心の自由(国家公務員2種試験〔1990年〕)

思想および良心の自由に関する次の記述のうち、妥当なものはどれか。

1) 単なる事実の知・不知のような人格形成活動に関連のない内心の活動には、思想および良心の自由の保障は及ばない。

2) 思想および良心の自由は、公務員に対し特定の思想や信条を持つことを強制することを許さないものではない。

3) 国民の多数者によって有害であるとして否定される思想には、思想および良心の自由の保障は及ばない。

4) 思想および良心の自由は、自己の思想や良心を外部に表明することを強制されないことまでも保障するものではない。

5) 法が一定の作為・不作為を命ずる場合、それに従うことが自己の良心に反するときは、いかなる場合でもその法に従わないことができる。

■解説

1) 正しい。謝罪広告強制事件(最大判昭和31年7月4日。人格核心説)である。芦部信喜(高橋和之補訂)『憲法』第5版(2011年、岩波書店)148−149頁、佐藤幸治『日本国憲法論』(成文堂、2011年)217−218頁。

2) 誤り。思想および良心の自由を侵されないとは、「人はどのような思想および良心をもとうとも自由」(宮沢俊義『全訂日本国憲法』芦部信喜補訂〔日本評論社、1978年〕236頁)ということを意味する。公務員への特定の思想信条の強制は、これと反する。

3) 誤り。国民大多数が有害と考える思想でも、その思想が内部にとどまる限り憲法の保障を受ける。前掲佐藤218頁参照。「『思想及び良心』は、それが人の内心にとどまっている限り、性質上法的規制の対象となりえない」。

4) 誤り。思想、良心の自由は、「沈黙の自由」をも保障する。前掲芦部147頁、佐藤218頁。

5) 誤り。義務の衝突(法の命じる義務と自己の良心が命じる義務の衝突)の事案だが、いかなる場合でも法に従わないでよい、という点は誤りである。