■公務員試験過去問分析(憲法、司法権の独立2)

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■裁判官の身分保障(国家公務員試験2種〔2005年〕)

裁判官の身分保障に関するア)−オ)の記述のうち、妥当なもののみをすべて挙げているのはどれか。

ア) 下級裁判所の裁判官は、司法権の独立の観点から最高裁判所が任命することとされている。また、任命された裁判官の任期は10年とされているが、心身の故障に基づく職務不能の場合のほか、成績不良など不適格であることが客観的に明白である場合でない限り、再任されるのが原則である。

イ) 裁判官に、職務の内外を問わず、裁判官としての威信を著しく失うべき非行があった場合には、各議院の議員から選挙された訴追委員で組織された裁判官訴追委員会の訴追をまって、各議院の議員から選挙された裁判員で組織された弾劾裁判所が当該裁判官を罷免するか否かの裁判を行う。

ウ) 裁判官が職務上の義務に違反した場合には、裁判によって懲戒処分に付すことができるが、懲戒処分の種類は、戒告又は過料に限定されている。

エ) 裁判官も私人としては一市民として表現の自由が保障されているから、個人的意見の表明であれば、積極的に政治活動をすることも許容されるとするのが判例である。

オ) 最高裁判所の裁判官がその任命後初めて行われる衆議院議員総選挙の際に国民審査に付される趣旨は、内閣による任命の可否を国民に問い、当該審査により任命行為を完成又は確定させるためであるとするのが判例である。

1) ア)、イ)
2) ア)、オ)
3) イ)、ウ)
4) ウ)、エ)
5) エ)、オ)

■解説

ア) 誤り。「下級裁判所の裁判官は、最高裁判所の指名した者の名簿によつて、内閣でこれを任命する」(憲法80条1項)。また80条1項の「再任されることができる」の意味につき本肢のように解する説もあるが、実務上は「再任は任命権者の裁量に委ねられている」とされている。芦部信喜(高橋和之補訂)『憲法』第5版(2011年、岩波書店)338−339頁、佐藤幸治『日本国憲法論』(成文堂、2011年)603−604頁。

イ) 正しい。64条、裁判官弾劾法2条2号、5条1項、国会法125、126条。

ウ) 正しい。裁判官分限法2、3条。

エ) 誤り。裁判所法52条は、裁判官の積極的政治運動を禁止している。なおこの点と関係して寺西判事補戒告事件(最大決平成10年12月1日)参照。前掲芦部273頁、佐藤618−619頁。

オ) 誤り。このように解する説もあるが、国民審査の性質についてはリコール制と解するのが通説、判例(最大判昭和27年2月20日)である。前掲芦部340−341頁、佐藤400頁。

よって正解は3)のイ)、ウ)である。