■公務員試験過去問分析(憲法、議院内閣制2)

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■衆議院の解散(地方公務員試験上級〔1999年〕)

衆議院の解散権に関して、7条説、65条説、69条説、制度説、自律解散説がある。次の記述中には、A)−E)5つの説があり、前記5つの説のいずれかに対応している。D説に該当するものはどれか。

ア) 解散権がどの機関に帰属するかという見地から分類すると、ABCDの各説からなるグループと、E説とに分類される。

イ) 解散をなしうるのはいかなる場合かという見地からABCDを分類すると、BCDの各説からなるグループと、A説とに分類される。

ウ) B説は、天皇の国事行為は、本来形式的な行為であるわけではなく、内閣の助言と承認を通じて実質的決定がなされる結果、形式的・儀礼的なものになると考える。

エ) C説はいわゆる控除説を前提としている。

1) 7条説
2) 65条説
3) 69条説
4) 制度説
5) 自律解散説

■解説

ア) E説は自律解散説である。自律解散説は、解散権が国会(衆議院)にもあると解する。A−D説は「内閣」に解散権があると解する。佐藤幸治『日本国憲法論』(成文堂、2011年)477頁。

イ) A説は69条説である。A−D説の中で69条説のみが、内閣は、憲法69条に基づく不信任決議があった場合のみ衆議院を解散し得るとする点で、他の3説と異なる。芦部信喜(高橋和之補訂)『憲法』第5版(2011年、岩波書店)49頁、前掲佐藤477頁。

ウ) B説は7条説である。前掲芦部信喜(高橋和之補訂)『憲法』第3版(2002年、岩波書店)49頁。

エ) C説は65条説である。控除説は、立法、司法に入らない残りの権限を行政の権限とするが、これを前提に、解散権は立法、司法の権限ではないので行政(内閣)の権限とするのが65条説である。

よってD説は制度説となる。正解は4)である。