■公務員試験過去問分析(憲法、裁判所の組織と権能1)

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■司法権(国家公務員試験2種〔2009年改〕)

司法権に関するア)−オ)の記述のうち、妥当なもののみをすべて挙げているのはどれか。

ア) 憲法は、すべての司法権は、最高裁判所及び法律の定めるところにより設置する下級裁判所に属することを定めており、特別裁判所の設置を禁止しているが、特定の専門的な事件だけを扱う裁判所であっても、最高裁判所を頂点とする通常裁判所の系列に属する裁判所であるならば、特別裁判所に当たらない。

イ) 最高裁判所は、最高裁判所長官1名及び最高裁判所判事14名で構成されるが、三権相互の抑制・均衡の見地から、最高裁判所長官は国会の指名に基づいて天皇が任命し、最高裁判所判事は内閣の指名に基づいて天皇が任命することとされている。

ウ) 最高裁判所の裁判官については、下級裁判所の裁判官と同様に両議院の議員で組織される弾劾裁判所の弾劾の対象となり得るほか、特に国民審査の制度が設けられており、国民審査の結果、投票者の多数が裁判官の罷免を可とするときは、その裁判官は罷免される。

エ) 司法権の独立を確保するため、裁判官を懲戒する権限は裁判所自身に与えられており、裁判所は、法律で定められた手続により、非行を行った裁判官に対し、免職、停職、減給又は戒告の処分をすることができる。

オ) 憲法第3章で保障する国民の権利が問題となってる事件の対審は、原則として、公開の法廷で行わなければならないが、裁判官の全員の一致で、公の秩序又は善良の風俗を害する恐れがあると決定した場合には、例外的に、公開しないでこれを行うことができる。

1) ア)、イ)
2) ア)、ウ)
3) ウ)、エ)
4) ウ)、オ)
5) エ)、オ) 

■解説

ア) 正しい。76条1、2項。芦部信喜(高橋和之補訂)『憲法』第5版(2011年、岩波書店)337頁、佐藤幸治『日本国憲法論』(成文堂、2011年)594頁。

イ) 誤り。 最高裁長官は内閣の指名に基づき天皇が任命する(6条2項)。長官以外の最高裁裁判官については内閣が任命する(79条1項)。

ウ) 正しい。78条、79条2、3項。

エ) 誤り。裁判所が「非行」を行った裁判官に対しできる処分は、戒告又は1万円以下の過料に限られる(裁判所法49条、裁判官分限法2条)。なお裁判所による免職として裁判官分限法1条(回復の困難な心身の故障のために職務を執ることができない場合等)。

オ) 誤り。憲法が規定する基本的人権が問題となっている事件の対審は非公開にできない。この場合は常に公開しなければならない(憲法82条2項)。

よって正解は2)となろう。