■公務員試験過去問分析(憲法、議院内閣制1)

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■議院内閣制(国家公務員試験2種〔1996年〕)

議院内閣制に関する次の記述のうち、妥当なものはどれか。

1) 議院内閣制は、元来、立憲君主制の下で君主と議会の権力の均衡をねらって成立した政治形態であり、18世紀から19世紀初頭にかけてフランスにおいて自然発生的に成立したものである。

2) 成立した当初の議院内閣制は@行政権が君主と内閣とに分属し、内閣は君主と議会の双方に対して責任を負うこと、A議会の内閣不信任決議権と君主の議会解散権という手段によって議会と君主とが抑制と均衡の関係にあることを主要な特徴とするものであった。

3) 19世紀半ば以降、君主の権限が名目化し、行政権が内閣に一元化する傾向が強まった結果、議院内閣制は、議会優位の政治制度へと変容し、現在のイギリスにおいては、議会の解散権が制限された議会優位型の議院内閣制が採用されている。

4) 国民によって直接選挙される大統領と議会とが対抗関係にあって、大統領は議会の解散権を有し、首相は大統領によって任命されるが、議会の信任をも在職の要件とするという体制は大統領制的議会政ともいわれ、現在ドイツにおいて採用されている。

5) 日本国憲法においては、議会による内閣の民主的コントロールを重視した議会優位型の議院内閣制が採用されており、内閣による議会の解散権は、議会の内閣不信任決議のあった場合にのみ行使しうるものと解されている。

■解説

1) 誤り。議院内閣制は、「18世紀から19世紀初頭にかけてイギリス憲政史おいて、自然発生的に成立した政治形態である」(芦部信喜〔高橋和之補訂〕『憲法』第5版〔2011年、岩波書店〕119頁)。佐藤幸治『日本国憲法論』(成文堂、2011年)475頁。

2) 正しい。前掲芦部320−321頁、佐藤475頁。

3) 誤り。イギリスの議院内閣制は、議会と内閣の抑制均衡を重視するものであり、本肢のように議会の解散権が制限されている、というようなことはない。前掲芦部321頁参照。

4) 誤り。本肢のような大統領的議会政の典型はフランス(第5共和制)である。ドイツのように大統領がいてもその権力が名目的である場合は、大統領的議会政とは言われない。前掲芦部322頁。

5) 誤り。内閣による解散権の行使(7条解散)も認められる。前掲芦部50頁。