■公務員試験過去問解説(憲法、幸福追求権1)

行政書士合格講座憲法学の窓・公務員試験対策室公務員試験対策室>公務員試験過去問解説・憲法、幸福追求権1

このサイトについて・プライバシーポリシー Site Map

■幸福追求権(国税専門官試験〔2009年〕)

憲法第13条に関するア)−エ)の記述のうち、判例に照らし、妥当なもののみをすべて挙げているのはどれか。

ア) 警察官による個人の容ぼう等の写真撮影は、現に犯罪が行われ若しくは行われた後に間がないと認められる場合であって、証拠保全の必要性及び緊急性があり、その撮影が一般的に許容される限度を超えない相当な方法をもって行われるときは、撮影される本人の同意がなく、また裁判官の令状がなくても、憲法第13条及び第35条に違反しない。

イ) 航空機の離着陸の騒音により身体的・精神的被害を受けている航空周辺住民は、空港の管理者である国に対して、いわゆる環境権に基づき、一定の時間帯について、当該空港を航空機の離着陸に使用させることの差止めを求める民事訴訟を提起することができる。

ウ) 患者が、輸血を受けることは自己の宗教上の信念に反するとして、輸血を伴う医療行為を拒否するとの明確な意思を有している場合であっても、そもそも医療が患者の治療と救命を第一の目的とするものであることにかんがみると、輸血を伴う医療行為を拒否する意思決定をする権利なるものを人格権の一内容と認めることはできず、医療が、手術の際に他に救命手段がない場合には輸血をすることを告げないまま手術を行い、当該患者に輸血したとしても、不法行為責任を負うことはない。

エ) 外国国賓による後援会を主催する大学が参加者を募る際に収集した、参加申込者である学生の学籍番号、氏名、住所及び電話番号に係る情報については、当該学生が、自己が欲しない他者にはみだりにこれを開示されたくないと考えることは自然なことであり、そのことへの期待は保護されるべきであるから、当該学生のプライバシーに係る情報として法的保護の対象となる。

1) ア)
2) ウ)
3) ア)、エ)
4) イ)、ウ)
5) イ)、エ)

■解説

ア) 正しい。京都府学連事件(最大判昭和44年12月24日)である。芦部信喜(高橋和之補訂)『憲法』第5版(2011年、岩波書店)119頁、佐藤幸治『日本国憲法論』(成文堂、2011年)183頁以下。

イ) 誤り。大阪空港公害訴訟である(最大判昭和56年12月16日)。ここでの差止につき、「行政訴訟の方法により何らかの請求をすることができるかどうかはともかくとして」民事訴訟経由では認められないとしている。前掲芦部263頁、佐藤187頁。

ウ) 誤り。最判平成12年2月29日である。人格権の一内容たる輸血を伴う治療行為を宗教上の理由から拒否するという意思決定を尊重し、この意思決定を奪う形で輸血した行為について損害賠償請求を認めたのが本件である。前掲芦部126頁、佐藤189頁以下。

エ) 正しい。最判平成15年9月12日である。前掲芦部123頁、佐藤183頁。

よって正解は3)となろう。