■公務員試験過去問解説(憲法、内閣の組織と権能2)

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■内閣(国家総合職〔2013年〕)

内閣に関するア)−オ)の記述のうち、妥当なもののみを全て挙げているのはどれか。

ア) 内閣総理大臣は、国会議員の中から国会の議決で指名される。明治憲法下においては、内閣総理大臣は「同輩中の首席」にすぎず、他の国務大臣と対等の地位にあるにすぎなかったが、日本国憲法は、内閣の首長としての地位を認め、それを裏付ける国務大臣の任免権等を与えている。

イ) 内閣総理大臣が、死亡した場合のほか、病気や一時的な生死不明の場合も、憲法上「内閣総理大臣が欠けた」場合に該当し、内閣は総辞職をしなければならない。

ウ) 衆議院解散に伴う総選挙の結果、総選挙前の与党が、総選挙後も引き続き政権を担うことになった場合であっても、総選挙後に初めて国会が召集されたときは、内閣は総辞職をしなければならない。

エ) 内閣がその職権を行うのは、閣議によることとされ、また閣議の議事に関する特別の規定はなく、全て慣習によるが、その議決方式は構成員の過半数によることとされている。

オ) 内閣総理大臣は、内閣の明示の意思に反しない限り、行政各部に対し、随時、その所掌事務について一定の方向で処理するよう指導、助言等の指示を与える権限を有するが、内閣総理大臣が、運輸大臣(当時)に対し、特定の民間航空会社に特定機種の選定購入を勧奨するよう働きかける行為は、内閣総理大臣の職務権限には属さないとするのが判例である。

1) ア)、イ)
2) ア)、ウ)
3) イ)、エ)
4) ウ)、オ)
5) エ)、オ)

■解説

ア) 正しい。日本国憲法68条。芦部信喜(高橋和之補訂)『憲法』第5版(2011年、岩波書店)316頁、佐藤幸治『日本国憲法論』(成文堂、2011年)489頁。

イ) 誤り。「内閣総理大臣が欠けたとき」(70条)には、総理大臣の死亡や総理大臣となる資格を失った場合や辞職した場合が含まれるが、「病気または生死不明の場合は、暫定的な故障なので、いわゆる副総理が臨時に職務を代行することになる」(前掲芦部319頁)。前掲佐藤493−494頁。内閣法9条参照。

ウ) 正しい。70条。

エ) 誤り。閣議の議事は、全会一致で決められる。前掲芦部318頁、佐藤495頁。そのほかの説明は正しい。

オ) 誤り。ここでいう「働きかける行為」を内閣総理大臣の職務権限としたのが判例である(72条。ロッキード事件〔最大判平成7年2月22日〕)。

よって正解は2)となろう。