■公務員試験過去問解説(憲法、国会の地位1)

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■憲法41条(国家公務員試験2種改〔2000年〕)

国会に関する次の記述のうち、妥当なものはどれか。

1) 憲法41条の「立法」については、実質的意味の立法の定立をさすとする考え方もあるが、通説では、形式的意味の法律の定立をさすとされており、例えば内閣が独立命令を制定する権能を持つとしても本条に反しない。

2) 憲法41条の「唯一の立法機関」とは、本条にいう「立法」が全て国会を通し、国会を中心に行われるべき事のみならず、本条にいう「立法」は国会の意思のみによって完結的に成立し、他の機関の意思によって左右されないことも意味する。

3) 国会の各議院は議院規則を、また、最高裁判所は最高裁判所規則を定めることができるが、これらは「国会中心立法」の例外ではないと解するのが通説である。

4) 法律の提出権を内閣に認めることは、憲法41条の「国会単独立法の原則」に違反すると解するのが通説である。

5) 憲法41条の「国会の最高機関」とは、国会が憲法上国政全般を統括し、他の機関を式・命令する権能を法的に持つ機関であることを意味するの解するのが通説である。

■解説

1) 誤り。憲法41条の「立法」は、形式的意味の立法ではなく「法規」という特定の内容の法規範の定立という意味(実質的意味の立法)を指す。また独立命令は、国会が唯一の立法機関である以上日本国憲法下では認められない。芦部信喜(高橋和之補訂)『憲法』第5版(2011年、岩波書店)287頁、佐藤幸治『日本国憲法論』(成文堂、2011年)432−434頁。

2) 正しい。前者が国会中心立法の原則、後者が国会単独立法の原則の説明である。前掲芦部287頁、佐藤幸治『日本国憲法論』(成文堂、2011年)432頁。

3) 誤り。議院規則、最高裁判所規則は国会の場以外で制定される法規範なので、国会中心立法の原則の例外となる。前掲芦部287頁。

4) 誤り。法案の「提出権」自体を内閣に認めても、違憲とまではいえない。前掲芦部287頁。「内閣は国政のあり方について全般的な配慮をなすべき立場」(73条1号)にあり、その配慮の一環として「内閣が立法の提案をなすべきことが要請されている」から、違憲でないとするものとして前掲佐藤437頁。

5) 誤り。本肢は統括機関説の説明だが、通説は補助的権能説を採用している。前掲芦部285頁、佐藤430頁。