■公務員試験過去問解説(憲法、外国人の人権1)

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■外国人の人権(国家公務員2種試験〔2000年〕)

外国人の人権に関する次の記述のうち、判例に照らし、妥当なのはどれか。

1) 憲法第3章の諸規定は同表題が「国民の権利義務及び義務」とされていることから、外国人には適用されない。

2) 国会議員の選挙権を有する者を日本国民に限っている公職選挙法の規定は、憲法14条1項及び15条に違反して無効である。

3) わが国に在留する外国人は、憲法上、外国へ一時旅行する自由を保障されている。

4) わが国に在留する外国人に対して、政治活動の自由についても、わが国の政治的意思決定又はその実施に影響を及ぼす活動等外国人の地位にかんがみ、これを認めることが相当でないと解されるものを除き、その保障が及ぶ。

5) 社会保障上の施策において、在留外国人をどのように処遇するかについて、障害福祉年金の給付に関し、自国民を在留外国人に優先させることとして、在留外国人を支給対象者から除くことは憲法14条及び25条の規定に違反する。

■解説

1) 誤り。かつては本肢のような学説も存在したが、現在では外国人の人権享有主体性を認めるのが通説、判例である。芦部信喜(高橋和之補訂)『憲法』第5版(2011年、岩波書店)92頁、佐藤幸治『日本国憲法論』(成文堂、2011年)142頁。

2) 誤り。国民主権原理の関係上、外国人には「国政」段階での選挙権は与えられない。前掲芦部92頁、佐藤144頁以下。

3) 誤り。外国人には、外国へ一時旅行する自由は認められない(森川キャサリーン事件〔最判平成4年11月16日〕)。前掲芦部95−96頁、佐藤143頁。

4) 正しい。マクリーン事件(最大判昭和53年10月4日)。前掲芦部96−97頁、佐藤149頁。

5) 誤り。塩見訴訟(最判平成1年3月2日)は本肢のことを合憲としている。前掲佐藤147頁。