■公務員試験過去問解説(行政法、行政行為の効力3)

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■行政行為の効力(地方公務員試験上級〔2006年〕)

行政行為の効力に関する記述として、判例、通説に照らして、妥当なのはどれか。

1) 行政行為は、無効の場合を除き、当該行政行為の取消しがあるまでは、その内容に応じて相手方やその他の関係者を拘束するが、当該行政行為をした行政庁までも拘束することはない。

2) 行政庁は、行政行為によって命ぜられた義務を相手方が履行しない場合には、必ず裁判判決の債務名義によらなければ、義務者に対して強制執行を行い、義務の内容を実現することができない。

3) 行政行為の取消しの訴えは、処分または裁決があったことを知った日から3ヶ月以内の出訴期間が過ぎないうちに提起しなければならず、これらの期間を経過したときは、行政行為の効力の有無を争うことはできない。

4) 最高裁判所の判例では、裁決庁がいったん下した裁決を自ら取り消すことは許されず違法であるので、その取消処分は効力を有せず、いかなる場合であっても無効のものと解すべきであるとした。

5) 最高裁判所の判例では、不服申立てにより農地買収計画を取り消した裁決は、実質的には法律上の争訟を裁判する性質を有するため、一般の行政処分とは異なり、特別の規定がない限り、裁決庁自ら取り消すことができないとした。

■解説

1) 誤り。行政行為は、その取消があるまで相手方及び行政庁を拘束する(拘束力)。田中二郎『行政法上』全訂第2版(1974年、弘文堂)133頁。

2) 誤り。自力執行力のある行政行為であれば、「行政庁は、行政行為によって命ぜられた義務を相手方が履行しない場合」でも、債務名義を得ずに強制執行や義務の内容を実現し得る。櫻井敬子−橋本博之『行政法』第5版(2016年、弘文堂)91頁、稲葉−人見−村上−前田『行政法』第4版(2018年、有斐閣)74−75頁。

3) 誤り。出訴期間は、2004年の改正で3ヶ月から6ヶ月に延長された(行政事件訴訟法14条1項)。また6ヶ月を過ぎた場合であっても「正当な理由があるときは」出訴が可能である(14条1項但書)。

4) 誤り。この場合「行政処分は、たとえ違法であっても、その違法が重大かつ明白で当該処分を当然無効ならしめるものと認むべき場合を除いては、適法に取り消されない限り完全にその効力を有するものと解すべき」であり、これは裁決庁がいったん下した裁決を自ら取り消す場合にもあてはまるとした(最判昭和30年12月26日)。

5) 正しい。最判昭和29年1月21。前掲櫻井他91−92頁、稲葉他75頁。