行政書士試験「本試験用損失補償法Check List」

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■1 定義と根拠

・定義
損失補償 「適法」な公権力の行使により、「特定の者」に財産上「特別犠牲」が発生した場合、公平の理念から損失を補填する制度。
国家賠償 「違法」な行政の活動から生じた損害を賠償。

・根拠
憲法29条3項←×プログラム規定

【本来必要な損失補償に関する規定を欠く法律がある場合】
違憲無効説 当該法律=違憲→当該法律に基づく収用等=無効。
直接請求権発生説 憲法29条3項に基づき直接損失補償を請求し得る(最大判昭和43年11月27日。当該収用等は有効とする)。

■2 補償の可否

特別犠牲の判断基準(伝統的学説)
・形式的基準 財産権侵害の対象が「特定人」か一般人か。
・実質的基準 侵害行為が財産権の「本質的部分を侵害するか」否か。

考慮すべき要素
・制限の程度が絶対的に弱い+公共の利益の確保が大きい 補償不要
・財産権側に規制を受ける原因が存する 補償不要
・価値が消滅している財産権を剥奪 補償不要

状態責任の問題
財産自体に社会に対する危険性が含まれる場合、財産権の側に規制を受ける原因があり、危険防止の観点から規制が受忍されるべきとの考え(昭和58年2月18日)。

□道路管理者である地方公共団体が行った地下横断歩道の新たな設置によって自己の所有する地下埋設ガソリンタンクが消防法の規定違反となり、事業者が当該ガソリンタンクを移転した場合には、事業者は、移転に必要な費用につき道路法による損失補償を求めることができる(2016−21−5)。→×

規制目的からの整理】
・消極目的規制 補償不要 ・積極目的規制 補償必要

■3 損失補償の内容と限界

【憲法29条3項「正当な補償」の解釈】
完全補償説 「収用の前後を通じて被収容者の財産的価値を等しくならしめる」(最判昭和48年10月18日。土地収用法の事案)。
相当補償説 「その当時の経済状態において成立すると考えられる価格に基づき合理的に算出された相当な額」(最判平成14年6月11日。相当補償説を示した最大判昭和28年12月23日〔農地改革の補償についての事案〕を引用)。
→実質的に判例は、完全補償説と同様の枠組みを用いている。

□都市計画事業のために土地が収用される場合、被収用地に都市計画決定による建築制限が課されていても、被収用者に対して土地収用法によって補償すべき相当な価格とは、被収用地が、建築制限を受けていないとすれば、裁決時において有するであろうと認められる価格をいう(2016−21−3)。→〇

損失補償の限界
×精神的損失に対する補償。「輪中堤」が有する文化財的価値に対する補償を否定(最判昭和63年1月21日)。
生業補償生活再建費補償。一部で立法措置は見られるが、憲法が保障するのは「財産権に対する金銭補償」にとどまる。

■4 国家賠償と損失補償の谷間

違法無過失の行為から生じた損害からの救済をどうするか→国家賠償と損失補償の谷間。 cf.国家賠償:違法有過失 損失補償:合法無過失
→e.g.予防接種禍訴訟 損失補償(憲法29条3項の範囲を広げる)として谷間の問題を解決するアプローチもあるが、国家賠償構成(過失の認定を緩やかにする)により解決するアプローチが定着。