■行政書士試験「本試験用憲法(裁判所その2・財政・憲法の保障)Check List」Ver.2

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■裁判所(続き)

■裁判所の組織と権能

裁判所の組織
最高裁判所及び下級裁判所(高等、地方、家庭、簡易裁判所)

特別裁判所の禁止(76条2項前段)
「特別の人間または事件について裁判するために、通常裁判所の系列から独立して設けられる裁判機関」を設置することができない。e.g.戦前の軍法会議

家庭裁判所は特別裁判所ではない。

行政機関による裁判禁止(76条2項後段)
終審として裁判を行ふことができない」のだから、「前審」としての裁判なら可能。e.g.行政不服審査法に基づき裁決を下す等

□司法権は裁判所に属するから、行政機関は終審としてはもとより、前審としても裁判を行うことはできない(国家公務員試験2種〔1989年〕)。→×



最高裁判所の構成等
構成 長官1名(内閣指名→天皇任命〔6条2項〕)+判事14名(内閣任命→天皇認証〔79条1項〕) *天皇の国事行為を確認すること

□最高裁判所の裁判官は、内閣の指名に基づいて天皇が任命し、高等裁判所以下の下級裁判所の裁判官は、最高裁判所の指名した名簿に基づいて内閣が任命する(国家公務員試験2種〔1993年〕)。→×

国民審査 審査の性質は「リコール制」と解するのが通説、判例(最大判昭和27・2・20)。

下級裁判所裁判官 最高裁が指名した者の名簿により内閣が任命する(80条1項)。
任期は10年。
80条1項後段の、「再任されることが『できる』」とは、再任が任命権者の裁量に委ねられるということを意味する(実務)。学説はおおむねこれに反対。

□下級裁判所の裁判官については、国民審査制度は設けられていないが任期が10年と定められており、任期満了の際に再任されないこともある(国家公務員試験2種〔1993年〕)。→○

裁判の公開

憲法82条
1 裁判の対審及び判決は、公開法廷でこれを行ふ。
2 裁判所が、裁判官の全員一致で、公の秩序又は善良の風俗を害する虞があると決した場合には、対審は、公開しないでこれを行ふことができる。但し、政治犯罪、出版に関する犯罪又はこの憲法第三章で保障する国民の権利が問題となつてゐる事件の対審は、常にこれを公開しなければならない。

出題されやすいのは2項。なお非公開にできるのは「対審」であり、「判決」は非公開にできないことに注意しておくこと。

裁判の公開とメモ採取の関係
法廷メモ採取事件(最大判平成1・3・8) 法廷におけるメモ採取許可が下りなかった事に対し国家賠償を請求した事案。 判決文

82条は傍聴人に対しメモを採取する権利を保障するものではないが、メモ採取行為は、21条1項の精神に照らし尊重に値し、故なく妨げられてはならない。

□法廷での筆記行為の自由は、憲法第21条の精神に照らして尊重に値し、故なく妨げられてはならない(2004−5)。→○

司法権の独立
司法権の独立(広義。司法権が立法権、行政権から独立している)+裁判官の職権の独立
77、78、80条等が裁判官職権の独立に仕える。

■財政、予算

■財政民主主義・租税法律主義

財政民主主義
82条 国の財政を処理する権限は、国会の議決に基いて、これを行使しなければならない。

租税法律主義(←「代表なく場課税なし」に由来)
84条 あらたに租税を課し、又は現行の租税を変更するには、法律又は法律の定める条件によることを必要とする。

ここでいう「租税」には、国民に対し強制的に賦課される金銭(専売品価格、各種検定料等)も含まれる。

*「通達課税」の問題(最判昭和33・3・28) 判決文

■予算

予算
内閣が作成→国会に提出(86条) cf.衆議院の予算先議権、議決における衆議院の優越

予算の法的性格
法律とは異なる予算という独自の「法形式」(予算法形式説) 

□次の文章を読み、〔 A 〕〔 B 〕(漠字各2字)に当てはまる語句として正しいものを記入しなさい(2001−36記述式)。

日本国憲法によれば、「内閣は、毎会計年度の〔 A 〕を作成し、国会に提出して、その審議を受け〔 B 〕を経なければならない。」とされるが、そこにいう〔 B 〕が、具体的にどういう形式の〔 B 〕であるのかは、明らかにされていない。財政民主主義を強調して、租税の場合と同様、正式に法律として〔 B 〕すべきだという有力な学説もあるが、一般には、法律とは違う〔 A 〕という形式の法規範として〔 B 〕されるものと、考えられている。内閣が作成した原案の方を〔 A 〕と呼ぶ一方で、それを審議する国会が〔 B 〕した法規範をも同じく〔 A 〕と呼んでいるわけで、用語としてはいささか紛らわしくなっている。(A予算 B議決)

決算審査 「会計検査院」が検査、検査報告を内閣が国会に「提出」(90条)

公金支出の禁止(89条)
*政教分離制度を財産面から支える。
**私学助成の合憲性 合意とするのが多数説の傾向

■憲法の保障

■違憲審査制

憲法81条
最高裁判所は、一切の法律、命令、規則又は処分が憲法に適合するかしないかを決定する権限を有する終審裁判所である。

違憲審査の性格
抽象的違憲審査制(ドイツ等 特別に設けられた憲法裁判所が、具体的な争訟と関係なく抽象的に違憲審査を行う)

付随的違憲審査制(アメリカ等 通常の裁判所が、具体的な争訟を裁判する際に、その前提として事件解決に必要な限度で適用法条の審査を行う )

警察予備隊違憲確認訴訟(最大判昭和27・10・8)は付随的違憲審査制の立場を採る 判決文

違憲審査の主体 条文上違憲審査の主体は最高裁に限定されているように読めるが、下級裁判所も違憲審査権を行使できると解されている。

□最高裁判所が違憲判断を行う場合は、審理に参加した裁判官の過半数によらなくてはならないが、具体的な争訟事件が提起される必要はないとするのが判例である(地方公務員上級〔1997年〕)。→×

□下級裁判所も違憲判断をすることができるが、この場合、上級機関である最高裁判所の許可が必要である(地方公務員上級〔1997年〕)。→×

違憲審査の対象 一切の法律、命令、規則又は処分

*条約に対する違憲審査の可否
憲法と条約の効力関係につき、条約優位説を前提にすれば、条約に対する違憲審査は否定される(効力において下にある憲法がそれより上位の条約を審査するというのは矛盾するから)。一方憲法優位説を前提にすれば、条約に対する違憲審査は肯定される(通説、判例〔砂川事件、最大判昭和34・12・16 判決文〕)。但し憲法優位説にたちつつ条約の違憲審査を否定する立場も存在する。

**立法不作為に対する違憲審査の可否 超例外的に肯定

違憲判決の効力
当該事件に限り違憲とされた条項の適用が排除される(個別的効力説)。違憲とされた条項は国会による廃止手続によりその存在を失う(違憲判決=違憲とされた条項の消滅と考える〔一般的効力説〕のではない。)。

□違憲審査権は、一切の法律、命令、規則または処分をその対象としており、住民の代表からなる地方公共団体の議会の制定する条例は法律に準ずるものとして対象となるが、条約は国際法の規律に服するので対象となることはない(地方公務員試験上級〔1997年〕)。→×

■憲法改正

96条 1 この憲法の改正は、各議院の総議員の3分の2以上の賛成で、国会が、これを発議し、国民に提案してその承認を経なければならない。この承認には、特別の国民投票又は国会の定める選挙の際行はれる投票において、その過半数の賛成を必要とする。

2 憲法改正について前項の承認を経たときは、天皇は、国民の名で、この憲法と一体を成すものとして、直ちにこれを公布する。

出題されるとすれば、96条の条文知識をストレートに問う問題が出題されよう。なお国会の議決で「3分の2」の賛成が必要とされる事項をチェックしておくこと。

なお憲法改正には限界があると考えるのが通説である(改正限界説)。この説によれば、国民主権原理を否定するような改正、憲法改正国民投票の廃止を目的とする改正は、法的には認められないことになる。

□憲法改正に何らかの限界が存するかについては、法は社会の変化に応じて変化すべきものであり、憲法もその例外ではないことから、憲法の規定する改正手続に従えば、いかなる内容の改正も行うことが可能であり、例えば、国民主権の原理を変更することも認められると解するのが通説である(国家公務員試験2種〔2001年〕)。→×