■行政書士試験「本試験用憲法(経済的自由権−人権ラスト)Check List」Ver.2

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■経済的自由権

■1 職業選択の自由

□職業選択の自由 自己の従事する職業を決定する自由+営業の自由

→経済的自由権は、精神的自由権と比較してより強度の規制を受ける(cf.二重の基準論)。また職業選択の自由は、社会的相互関連関連性及び社会国家的な観点からの制約が認められる

規制類型とその違憲審査基準
消極目的」規制 国民の生命および健康に対する危険を防止、除去、緩和するための規制(e.g.営業許可制度)。←「厳格な合理性」の基準(@判例)

積極目的」規制 社会的、経済的弱者を保護するためになされる規制(e.g.巨大資本から中小企業を保護するための競争制限)。←「明白の原則」の基準(A判例)

@薬事法距離制限訴訟(最大判昭和50・4・30) 薬局の開設に距離制限を要求する薬事法及び広島県条例が問題となった事案 
判決文

A小売市場距離制限事件(最大判昭和47・11・22) 小売市場の開設許可条件としての距離制限が問題となった事案
判決文

■2 財産権の保障

保障内容 
個別具体的財産権+私有財産制度の保障(後者は制度的保障の例)

財産権保障の相対化 フランス人権宣言17条→ヴァイマール憲法153条

□憲法29条による財産権の保障は、いわゆる制度的保障として私有財産制を保障するものであるが、個人の私的財産権を保障するものではない(地方公務員試験上級〔1997年〕)。→×

財産権の保障(29条1項)→この保障の一般的制約を認める(29条2項)

*条例による財産権制約は如何
29条2項は、「財産権の内容は、公共の福祉に適合するやうに、法律でこれを定める」と定めるが、ここに言う「法律」には条例が含まれるか→肯定

奈良県ため池条例事件(最大判昭和38・6・26) 条例による財産権制限の可否が争われた事案 判決文

□財産権の内容は法律で定めることとされており、条例により財産権に制限を加えることは一切許されない(国家公務員試験2種〔1990年〕)。→×

29条3項 
私有財産は、正当な補償の下に、これを公共のために用ひることができる。

@公共のため 財産制限、収用の目的が広く公益目的であればたりる

A補償の要否→特別犠牲説
1.相隣関係上の制約、財産権に内在する社会的制約:補償不要
2.1.以外で特定の個人に特別の犠牲を加えた場合:補償必要

□財産権につき内在する社会的制約を受ける場合には、正当な補償をすることを要する(地方公務員試験上級〔2001年〕)。→×

□法律により財産権の制限の規定があり、かつ損失補償に関する規定がない場合には、憲法の規定を直接適用して、補償を請求することができる(地方公務員試験上級〔2001年〕)。→○

「正当な補償」とは
相当補償説 当該財産について合理的に算出された相当額(市場価格を下回っても良い)
完全補償説 当該財産についての客観的な市場価格の全額補償

※判例には、相当補償説の立場に立つもの(農地改革が関係する事案。最大判昭和28・12・23)と完全補償説の立場に立つもの(土地収用法が関係する事案。最判48・10・18)の両者が存在する。そこで肢の正誤判断においては、その肢がどういう事情を前提にしているかよく見極めが必要。

□憲法29条3項にいう、「正当な補償」とは相当な補償を意味するから、土地収用法上の損失補償についても、完全な補償、すなわち収用の前後を通じて被収容者の当該財産価値を等しくならしめるような補償は必ずしも必要ではない(地方公務員試験上級〔1997年〕)→×

■人身の自由

※2003年の本試験第5問で真正面から出題された項目であるため、今後しばらく大きな形で出題されることはないと思われる。せいぜい肢の1つとしての出題があるくらいではないか。

奴隷的拘束からの自由(18条)
本状は私人間にも直接効力を有する。三菱樹脂事件判決と比較すること。

適正手続の保障(31条)

31条の保障内容 
刑罰を科すに際し、@法定の手続によること、Aその法定手続が適正であること、B刑罰の根拠法(実体法)が法定されていなければならない(罪刑法定主義)、Cその根拠法の内容も適正でなければならない

31条は告知と聴聞を受ける権利も保障している
告知と聴聞を受ける権利 公権力が国民に刑罰その他の不利益を科す場合には、当事者にあらかじめその内容を告知し、当事者に弁解と防御の機会を与えねばならない。

第三者所有物没収事件(最大判昭和37・11・28) 有罪判決の付加刑として、弁解の機会を与えられない第三者の所有物を没収することの合憲性が争われた事案 判決文

31条は行政手続にも準用されるか
31条は刑事手続を念頭に置いた条文(刑罰を科せられない、と規定している)→行政手続への適用は如何

成田新法事件(最大判平成4・7・1) 判決文
「憲法31条の定める法定手続の保障は、直接には刑事手続に関するものであるが、行政手続については、それが刑事手続ではないとの理由のみで、そのすべてが当然に同条による保障の枠外にあると判断することは相当ではない」。
しかし、行政手続は刑事手続と性質を異にし、多種多様であるので、行政処分の際、処分の相手方に告知と聴聞等の機会を与えるか否かは、「行政処分により制限を受ける権利利益の内容、性質、制限の程度、行政処分により達成しようとする公益の内容、程度、緊急性等を総合較量して決定されるべきもの」であり、常に告知と聴聞等の機会を与えることを必要としない

■国務請求権と参政権

1 裁判を受ける権利

裁判を受ける権利(32条) 
同条は、民事、行政事件については「裁判の拒絶」を許さないということを意味し、刑事事件については、裁判所の裁判によらねば刑罰を科せられないということを意味する(後者は自由権の1種であり、37条と内容が重なる)

□裁判を受ける権利は、民事事件においては受益権の1種であるが、刑事事件においては、裁判所の裁判によるのでなければ刑罰を科されないことを意味するから自由権としての性質を有する(地方上級試験)。→○

2 参政権

参政権
参政権については、選挙権(15条)の他に最高裁裁判官国民審査憲法改正国民投票地方特別法住民投票の規定がある

選挙権の法的性格 
「権利」+「公務(選挙人としての地位に基づいて公務員の選挙に参加する公務)」の二面性を持つと解されている(通説)

選挙に関する基本原則
普通選挙、平等選挙、自由選挙、秘密選挙、直接選挙の各概念を把握しておく

■社会権

社会権について、公権力による不当な侵害があった場合、それを排除するように裁判所に請求することができる。よって社会権には自由権的側面が含まれる場合もある。

*社会権規定はここ数年出題が見られないので、出題に注意しておきたい。

1 生存権

法的性格
プログラム規定説 25条は、国が生存権を確保すべきという政治的、道義的義務を定めたにとどまる

抽象的権利説 生存権はそれ自体抽象的権利であり、生存権自体から生活扶助等を請求することはできない。そして生存権は、生存権具体化立法があり初めて具体的権利となる。

朝日訴訟(最大判昭和42・5・24) 低額にすぎる生活扶助費が、25条に言う「健康で文化的な最低限度の生活」を維持するに足りるかが争われた事案 
判決文 プログラム規定説を採用したと解されている。

2 教育を受ける権利

教育を受ける権利 子供の学習権を保障

教育権の所在論争
国家教育権説 教育内容について国が関与、決定する権能を持つと解する説

国民教育権説 子供の教育に責任を負うのは親、および教師であり、国は教育の条件整備の任務を負うにとどまる

旭川学テ事件(最大判昭和51・5・21) 判決文
国家教育権説、国民教育権説共に「いずれも極端かつ一方的であり、そのいずれをも全面的に採用することはできない」としつつ、広範な国の教育への介入を認めた。

□国は、国民の付託に基づき公教育を実施する権限を有するものであり、教育の内容についても、自由に決定する権能を有する(99−22)。→×(肢全体が国家教育権説的立場からだけの記述のとなっている点が誤り)

義務教育の無債(26条2項) 無償とは、授業料不徴収を意味する

□憲法は、義務教育を無償とする旨を規定しているが、これは、授業料を徴収しないことを意味し、教科書、学用品その他教育に必要な一切の費用まで無償としなければならないことを定めたものではない(99−22)。→○

労働基本権

労働基本権の保障 団結権、団体交渉権、団体行動権

労働基本権の性格
@国に対する労働基本権保障措置の要求、国の労働基本権保障措置実現義務
A自由権的側面 国による労働基本権制限立法を禁ずる
B私人間の関係にも直接適用される

□労働基本権を保障する憲法の規定は、国家と私人との関係においてのみ妥当するものであって、私人相互の関係においては直接効力を有しない(国家公務員2種試験)。→×

公務員の労働基本権
全逓東京中郵事件→都教組事件→全農林警職法という判例理論の変遷に注意する