■行政書士試験「本試験用憲法(表現の自由2)Check List」

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■表現の自由(続)

■A明確性の原則−漠然不明確、過度に広汎な規制−(芦部・憲法185頁〜)

明確性の原則 精神的自由を規制する立法は明確でなければならない(憲法31条)。→表現行為への萎縮効果の排除

@限定解釈によっても法文の漠然不明確性が除去されないケース 
→「漠然性のゆえに無効」とされる。
A法文は一応明確だが、規制範囲があまりに広汎で違憲的に適用される可能性のある法令
→「過度広汎のゆえに無効」とされる。

徳島市公安条例事件(徳島市集団行進及び集団示威運動に関する条例中の許可要件の明確性が争われた事案) 判決文

■B表現内容規制−「明白かつ現在の危険」の基準−(芦部・憲法188頁〜)

煽動など表現の内容そのものを規制する立法の合憲性判定基準…「明白かつ現在の危険」の基準

【「明白かつ現在の危険」(clear and present danger)の基準】

@ある表現行為が近い将来ある実質的害悪を引き起こす蓋然性の明白さ
Aその害悪の重大性(きわめて重大)、その発生の時間的切迫
B問題となっている表現規制立法の必要不可欠性

この3要件すべてを論証できた場合、問題となっている表現の規制立法の合憲性が確立される。

本試験問題(2005−36)

次の文章は、最高裁判決の一節である。下線部ア、イの法理は、一般にどのように呼ばれるか、記入しなさい(アは5字以内、イは9字以内)。

集会の用に供される公共施設の管理者は、当該公共施設の種類に応じ、また、その規模、構造、設備等を勘案し、公共施設としての使命を十分達成せしめるよう適正にその管理権を行使すべきであって、これらの点からみて利用を不相当とする事由が認められないにもかかわらずその利用を拒否し得るのは、利用の希望が競合する場合のほかは、施設をその集会のために利用させることによって、他の基本的人権が侵害され、公共の福祉が損なわれる危険がある場合に限られるものというべきであり、このような場合には、その危険を回避し、防止するために、その施設における集会の開催が必要かつ合理的な範囲で制限を受けることがあるといわなければならない。そして、右の制限が必要かつ合理的なものとして肯認されるかどうかは、基本的には、基本的人権としての集会の自由の重要性と、当該集会が開かれることによって侵害されることのある他の基本的人権の内容や侵害の発生の危険性の程度等を較量して決せられるべきものである。本件条例7条による本件会館の使用の規制は、このような較量によって必要かつ合理的なものとして肯認される限りは、集会の自由を不当に侵害するものではなく、また、検閲に当たるものではなく、したがって、憲法21条に違反するものではない。 以上のように解すべきことは、当裁判所大法廷判決の趣旨に徴して明らかである。

そして、このような較量をするに当たっては、(ア)集会の自由の制約は、基本的人権のうち精神的自由を制約するものであるから、経済的自由の制約における以上に厳格な基準の下にされなければならない

本件条例7条1号は、「公の秩序をみだすおそれがある場合」を本件会館の使用を許可してはならない事由として規定しているが、同号は、広義の表現を採っているとはいえ、右のような趣旨からして、本件会館における集会の自由を保障することの重要性よりも、本件会館で集会が開かれることによって、人の生命、身体又は財産が侵害され、公共の安全が損なわれる危険を回避し、防止することの必要性が優越する場合をいうものと限定して解すべきであり、その危険性の程度としては、前記各大法廷判決の趣旨によれば、(イ)単に危険な事態を生ずる蓋然性があるというだけでは足りず、明らかな差し迫った危険の発生が具体的に予見されることが必要であると解するのが相当である

(ア) 「二重の基準(double standard)」、(イ)「明白かつ現在の危険(clear and present danger)」が入る。解説

■C内容中立−「LRA」の基準−(芦部・憲法190頁〜)

LRAの基準 表現の時、場所、方法(time,place,manner)を規制する立法の合憲性判断基準

【「LRA」(less restrictive alternatives)の基準】
立法目的は表現内容と係わらない正当なものであるが、規制手段が広汎である点で問題である法令につき、立法目的達成のため規制の程度のより少ない手段が存在するかを具体的、実質的に審査し、それがありうる場合当該法令を違憲とする。

※なお前述の「過度広汎のゆえに無効」とLRAの基準の差異については、芦部『現代人権論』291頁を参照。

■集会、結社の自由

■集会の自由(芦部・憲法162頁〜)

□集会の自由(21条1項)
集会 多数人が政治、経済などの問題に関する共通の目的をもって一定の場所に集まること。cf.集団更新、集団行動は「集会」に含まれるか。

多数人による表現行動のため、他者の権利と衝突する可能性が高い→調整は如何?(前述の公安条例にも注意)

公共施設の使用拒否の問題 泉佐野市民会館事件(最判平成4・7・1。上の本試験問題の判決文はこの事件のものである)

□集団行動の自由

集団行動の自由 21条の「その他一切の表現の自由」に含まれる。但し「動く公共集会」として集会に含める説もある。→一定の行動を伴うため、他の国民の権利自由との間を調整する必要あり。

公安条例による規制
→合憲となる条件として、@当該条例の目的が交通警察目的(公衆の道路利用との衝突を避けるための調整等)であり、A規制の手段が届出制である、という2点が必要である。

公安条例による「許可」性は、それが実質届出制に近いようなものであり(許可基準が明確であり厳格に限定されている)、かつ裁判による救済手続きが整っていれば是認され得る。

新潟県公安条例事件(最大判昭和29・11・24)