■行政書士試験「本試験用憲法(人権総論2)Check List」Ver.1

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■基本的人権の限界(芦部95頁〜)

1 二重の基準論

基本的人権は不可侵性を有するが(cf.2 人権の観念)、それは人権の絶対不可侵性を意味しない。現行憲法はこれについて、公共の福祉による人権制約がある旨を規定するが(12、13、22、29条)、この公共の福祉−人権制約の際の審査基準−については現在「二重の基準論」の観点から考察されるようになっている。



*二重の基準論 精神的自由は民主政にとって不可欠の権利であり優越的地位を占める。よって裁判所による厳格な審査の対象となるが、経済的自由については立法府の裁量を尊重するという点、裁判所による審査能力の限界という2点から緩やかな審査の対象となる、という理論。

なお二重の基準論自体は違憲審査基準の大枠を示すものであり、二重の基準論自体が独自の違憲審査基準となるわけではない。この二重の基準論の考え方をベースに、個々の人権やケースごとに具体的な違憲審査基準が登場するのである

過去問(2005−36)

次の文章は、最高裁判決の一節である。下線部ア、イの法理は、一般にどのように呼ばれるか、記入しなさい(アは5字以内、イは9字以内)。

集会の用に供される公共施設の管理者は、当該公共施設の種類に応じ、また、その規模、構造、設備等を勘案し、公共施設としての使命を十分達成せしめるよう適正にその管理権を行使すべきであって、これらの点からみて利用を不相当とする事由が認められないにもかかわらずその利用を拒否し得るのは、利用の希望が競合する場合のほかは、施設をその集会のために利用させることによって、他の基本的人権が侵害され、公共の福祉が損なわれる危険がある場合に限られるものというべきであり、このような場合には、その危険を回避し、防止するために、その施設における集会の開催が必要かつ合理的な範囲で制限を受けることがあるといわなければならない。そして、右の制限が必要かつ合理的なものとして肯認されるかどうかは、基本的には、基本的人権としての集会の自由の重要性と、当該集会が開かれることによって侵害されることのある他の基本的人権の内容や侵害の発生の危険性の程度等を較量して決せられるべきものである。本件条例7条による本件会館の使用の規制は、このような較量によって必要かつ合理的なものとして肯認される限りは、集会の自由を不当に侵害するものではなく、また、検閲に当たるものではなく、したがって、憲法21条に違反するものではない。 以上のように解すべきことは、当裁判所大法廷判決の趣旨に徴して明らかである。

そして、このような較量をするに当たっては、(ア)集会の自由の制約は、基本的人権のうち精神的自由を制約するものであるから、経済的自由の制約における以上に厳格な基準の下にされなければならない

本件条例7条1号は、「公の秩序をみだすおそれがある場合」を本件会館の使用を許可してはならない事由として規定しているが、同号は、広義の表現を採っているとはいえ、右のような趣旨からして、本件会館における集会の自由を保障することの重要性よりも、本件会館で集会が開かれることによって、人の生命、身体又は財産が侵害され、公共の安全が損なわれる危険を回避し、防止することの必要性が優越する場合をいうものと限定して解すべきであり、その危険性の程度としては、前記各大法廷判決の趣旨によれば、(イ)単に危険な事態を生ずる蓋然性があるというだけでは足りず、明らかな差し迫った危険の発生が具体的に予見されることが必要であると解するのが相当である

解答、解説はこちら

2 特別な法律関係における人権の限界

□在監者、公務員の人権

公権力と特殊の関係にある者に対する人権制約については、従前は特別権力関係論によって説明されてきたが、今日では公務員関係、在監関係、在学関係等個々のケースごとに、いかなる人権がいかなる根拠で制約されるのかということを考える立場が主流である。

公務員については別の箇所で述べる。

よど号新聞記事抹消事件(勾留中の被疑者が購読していた新聞に掲載されていたよど号ハイジャック事件に関する記述の抹消行為と知る権利の関係が問題となった事案) 判決文

在監者の人権は在監関係維持のための特別な制約に服するが、それは在監目的(拘禁、戒護、受刑者の矯正)達成のための必要最小限度の制約にとどまるべきである(芦部)。

□私人間における人権の保障と限界

基本的人権は、伝統的に公権力に対する防御権として考えられてきたが、資本主義の発達後私人による人権侵害とりわけ大きな私的団体、法人による人権侵害が問題となってきた。これにどう対処するべきかを考えるのが私人間効力論である。

間接効力(適用)説(通説、判例) 私人間における人権侵害行為については、憲法を直接適用するのではなく憲法の人権規定の趣旨を民法の一般条項に取り込み、この一般条項を適用することで解決を図る。

三菱樹脂事件(入社試験の際学生運動歴につき虚偽の申告をしたということを理由とする、試用期間終了後の本採用拒否と人権規定の関係が問題となった事案) 判決文