■行政書士試験「本試験用憲法(表現の自由1)Check List」

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■表現の自由

■総論(芦部・憲法162頁〜

表現の自由 思想情報を発表し伝達する自由

*表現の自由は、「自己実現」(言論活動を通じた自己の人格の発展)と「自己統治」(民主政に資する社会的価値)という2つの価値に支えられる。

現代においては、伝統的な自由権的意味の表現の自由に加え、知る権利(情報公開請求権)やアクセス権(反論記事掲載等の請求権)の観点も重要となる。後二者は国務請求権ないし社会権的性格を有する点に注意。
→表現の送りてではなく、受け手という観点からの表現の自由の再構成

サンケイ新聞事件(日本共産党が産経新聞に対し反論文の掲載を請求した事件) 判決文

■表現の自由の内容(芦部・憲法165頁〜

報道の自由
報道の自由も表現の自由の保障に含まれる。∵報道は、国民の知る権利に奉仕する。

□報道の自由は、憲法第21条の精神に照らし、十分尊重に値する(2004−5−2)。→×

報道の自由は、表現の自由を定める憲法21条の保障の下ににある、というのが最高裁の立場である(博多駅事件〔最大決昭和44・11・26〕)

取材の自由取材源秘匿の自由

□取材の自由は、表現の自由を規定した憲法第21条の保護のもとにある(2004−5−1)。→×

cf.博多事件判決要旨
「報道の自由は、表現の自由を規定した憲法21条の保障のもとにあり、報道のための取材の自由も、同条の精神に照らし、十分尊重に値いするものといわなければならない」。

→取材が報道にとって不可欠な前提であることを考慮すれば、取材の自由は報道の自由の一環として憲法21条により保障されると考えるべき(芦部)。

取材の自由と国家機密との関係、および両者の限界

□取材の自由の重要性に鑑み、報道機関が取材目的で公務員に秘密漏示をそそのかしても違法とはいえず、贈賄等の手段を用いても違法性が阻却される(2004−5−5)。→×

賄賂等の手段を用い取材をするということは、手段方法が法秩序全体の精神に照らし相当ではなく、社会観念上是認されないので、違法性を阻却しない(参照。西山記者事件〔最決昭和53・5・31〕)。

□取材の自由は取材源の秘匿を前提として成り立つものであるから、医師その他に刑事訴訟法が保障する証言拒絶の権利は、新聞記者に対しても認められる(2004−5−4)。→× 参照。石井記者事件

最新判例最決H18・10・3〔pdfファイル〕)

性表現・名誉毀損的表現

性表現、名誉毀損的表現が処罰の対象になっているからといって、はなっからこれらの表現を憲法の保障からはずすべきではなく、これらの表現についても、表現の自由に含まれることを前提にして、最大限表現が保障される範囲を確定していくべきである(芦部)。

【性表現の違憲審査基準】定義づけ衡量論(definitional balancing)
性表現とわいせつ文書の罪の保護法益との衡量をはかりながら、表現の自由の価値に比重をおいてわいせつ文書の定義を厳格にしぼり、表現内容の規制を限定的にしていこうとする考え。

性表現が問題となった事案として、チャタレイ事件(最大判昭和32・3・13)、「悪徳の栄え」事件(最大判昭和44・10・15)、「四畳半襖の下張」事件(最判昭和55・11・28)等がある。

■表現の自由の限界(芦部・憲法175頁〜

表現の自由の違憲審査(合憲性判定)基準 cf.二重の基準論

表現に自由を規制する立法には、@検閲、事前抑制規制、A漠然不明確、過度に広汎な規制、B表現内容規制、C内容中立規制という4類型がある。

■@事前抑制の理論(芦部・憲法179頁〜

21条2項 検閲禁止

検閲】 行政権が主体となって、思想内容等の表現物を対象とし、その全部又は一部の発表の禁止を目的として、対象とされる一定の表現物につき網羅的一般的に、発表前にその内容を審査したうえ、不適当と認めるものの発表を禁止すること(税関検査事件〔昭和59・12・12〕)

検閲の主体
行政権
判例は、行政権による検閲は絶対的に禁止されるが、裁判所による−検閲とは異なる−事前抑制は憲法21条1項により原則的に禁止されていると考える。つまり検閲と事前抑制を概念的に区別している。

検閲の対象
思想内容
→広く表現内容と解するのが妥当(芦部)ではないか。

検閲の時期
思想内容の発表前
→国民の知る権利を考慮するなら、思想情報の受領時(受領前の抑圧=検閲)を基準とすべきという見解(芦部)もある。

検閲が問題となった事案としては、税関検査事件(最大判昭和59・12・12)、岐阜県青少年保護条例事件(最判平成1・9・19)、教科書検定事件(最判平成5・3・16)等があるが、いずれの事件においても検閲の成立は否定されている。

□次の文章は、ある最高裁判決の一部である。そこにいう検閲の定義にあてはまると考えられる事例は、いくつあるか(2003−4改)。

「憲法21条2項にいう『検閲』とは、行政権が主体となって、思想内容等の表現物を対象とし、その全部又は一部の発表の禁止を目的として、対象とされる一定の表現物につき網羅的一般的に、発表前にその内容を審査した上、不適当と認めるものの発表を禁止することを、その特質として備えるものを指す」。

1) 税関で、関税定率法における輸入禁制品の検査の結果、わいせつ表現を含む書物の輸入を禁止すること。

2) 高等学校用「政治・経済」の教科書として出版しようとした書物につき、文部科学省で検定し、不合格の処分を行うこと。→2つとも検閲に該当しない。