■2020年行政書士試験・地方自治法第3問

行政書士合格講座2020年行政書士試験の問題解説>2020年行政書士試験・地方自治法第3問

このサイトについて・プライバシーポリシー 憲法学の窓・公務員試験対策室 Site Map

■地方自治法(2020−24)【条文知識問題】

地方自治法に基づく住民訴訟に関する次の記述のうち、法令および最高裁判所の 判例に照らし、妥当なものはどれか。

1) 住民訴訟を提起した者が当該訴訟の係属中に死亡したとき、その相続人は、当該地方公共団体の住民である場合に限り、訴訟を承継することができる。

2) 住民訴訟を提起する者は、その対象となる財務会計行為が行われた時点において当該普通地方公共団体の住民であることが必要である。

3) 住民訴訟の前提となる住民監査請求は、条例で定める一定数の当該地方公共団体の住民の連署により、これをする必要がある。

4) 普通地方公共団体の議会は、住民訴訟の対象とされた当該普通地方公共団体の不当利得返還請求権が裁判において確定したのちは、当該請求権に関する権利放棄の議決をすることはできない。

5) 住民訴訟を提起した者は、当該住民訴訟に勝訴した場合、弁護士に支払う報酬額の範囲内で相当と認められる額の支払いを当該普通地方公共団体に対して請求することができる。

■解説

【難易度】難しい。

1) 誤り。住民訴訟を提起する権利は公法上の権利であり、相続を許さない一身専属的なものであるとするのが判例である(最判昭和55年2月22日)。よって提起した者の死亡により訴訟は終了する。

2) 誤り。「当該普通地方公共団体の住民」という住民訴訟の要件(地方自治法242条の2第1項柱書)は、訴訟要件であり訴訟係属中必要となるものである(地裁レベルとして、山口地判昭和44年12月25日参照)。上原ー池田ー山本『民事訴訟法』第6版補訂(2012年、有斐閣)95頁参照。 

3) 誤り。住民監査請求は普通地方公共団体の住民が一人でこれをなすことができる(242条1項参照)。

4) 誤り。この場合の権利放棄の議決(96条1項10号)が、裁量権逸脱、濫用となる場合の要件については、最判平成24年4月20日参照。裁判確定前か後かということは、この判決に言う「事後の状況その他の諸般の事情」の中で考慮されるのであろうが、裁判確定後は放棄できなくなる、というものではないように思われる。

5) 正しい。地方自治法242条の2第12項。