■2020年行政書士試験・行政救済法第6問

行政書士合格講座2020年行政書士試験の問題解説>2020年行政書士試験・行政救済法第6問

このサイトについて・プライバシーポリシー 憲法学の窓・公務員試験対策室 Site Map

■行政事件訴訟法(2020−19)【条文知識問題】

行政事件訴訟法が定める義務付け訴訟に関する次の記述のうち、正しいものはどれか。

1) 申請拒否処分がなされた場合における申請型義務付け訴訟は、拒否処分の取消訴訟と併合提起しなければならないが、その無効確認訴訟と併合提起することはできない。

2) 行政庁が義務付け判決に従った処分をしない場合には、裁判所は、行政庁に代わって当該処分を行うことができる。

3) 義務付け判決には、取消判決の拘束力の規定は準用されているが、第三者効の規定は準用されていない。

4) 処分がされないことにより生ずる償うことのできない損害を避けるため緊急の必要がある場合には、当該処分につき義務付け訴訟を提起しなくとも、仮の義務付けのみを単独で申し立てることができる。

5) 義務付け訴訟は、行政庁の判断を待たず裁判所が一定の処分を義務付けるものであるから、申請型、非申請型のいずれの訴訟も、「重大な損害を生じるおそれ」がある場合のみ提起できる。

■解説

【難易度】普通。

1) 誤り。この場合の申請型義務付け訴訟は、拒否処分の取消訴訟又は無効等確認の訴えを併合提起しなければならない(行政事件訴訟法第37条の3第3項2号)。

2) 誤り。このような旨の規定はない。塩野宏は、この点につき義務付け判決に被告が従わない場合もあり得るが、「わが国では、裁判所の判決に行政庁が従わないという事例が未だ生じてないので、判決の執行確保のための制度は置かれていない」とする。塩野宏『行政法U』第6版(2019年、有斐閣)256頁。

3) 正しい。取消判決の拘束力の規定(33条)は準用されているが、第三者効の規定(32条1項)は準用されていない(38条)。この点につき、前掲塩野256頁参照。

4) 誤り。仮の義務付けは、「義務付けの訴えの提起があった場合」になされるものである(第37条の5第1項)。

5) 誤り。非申請型義務付け訴訟は「重大な損害を生じるおそれ」がある場合に提起できるが(37条の2第1項)、申請型義務付け訴訟は、「重大な損害を生じるおそれ」がなくとも提起できる(37条の3第1項参照)。