■2020年行政書士試験・行政法総論第4問

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■自動車運転免許(2020−26)【理論問題】

自動車の運転免許に関する次の記述のうち、正しいものはどれか。

1) 自動車の運転免許の交付事務を担当する都道府県公安委員会は合議制の機関であることから、免許の交付の権限は都道府県公安委員会の委員長ではなく、都道府県公安委員会が有する。

2) 道路交通法に違反した行為を理由として運転免許停止処分を受けた者が、その取消しを求めて取消訴訟を提起したところ、訴訟係属中に免許停止期間が終了した場合、当該違反行為を理由とする違反点数の効力が残っていたとしても、当該訴訟の訴えの利益は消滅する。

3) 運転免許証の「○年○月○日まで有効」という記載は、行政行為に付される附款の一種で、行政法学上は「条件」と呼ばれるものである。

4) 自動車の運転免許は、免許を受けた者に対し、公道上で自動車を運転できるという権利を付与するものであるから、行政法学上の「特許」に当たる。

5) 都道府県公安委員会は国家公安委員会の地方支分部局に当たるため、内閣総理大臣は、閣議にかけた方針に基づき都道府県公安委員会の運転免許交付事務を指揮監督することができる。

■解説

【難易度】普通。

1) 正しい。道路交通法84条1項。都道府県公安委員会が合議制を採用するという点注意(38条2項)。

2) 誤り。この場合訴えの利益は消滅しない(最判昭和55年11月25日)。この判例は「減点の効果の有無で訴えの利益の有無」を判断していると解される。原田尚彦『行政法要論』全訂第3版(1994年、学陽書房)339頁参照。

3) 誤り。この記載は、附款の分類上「条件」ではなく「期限」に該当する。なお運転免許証中の「負担」の記載にも注意。石川敏行『はじめて学ぶプロゼミ行政法』改訂版(1991年、実務教育出版)167頁以下参照。

4) 誤り。講学上の行政行為の分類では、特許ではなく許可(運転禁止の解除)に該当する。前掲石川167頁。

5) 誤り。地方支分部局は国家行政組織法3条の「国の行政機関」に設置されるものである(国家行政組織法9条)。都道府県公安委員会は、都道府県知事の所轄のもとに置かれるため、国家公安委員会の地方支分部局に該当しない。