■2019年行政書士試験・法令科目多肢選択式第3問

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■行政法(2019−43)【条文知識問題】

次の文章の空欄(ア)−(エ)に当てはまる語句を、枠内の選択肢(1−20)から選びなさい。

行政事件訴訟法は、行政事件訴訟の類型を、抗告訴訟、(ア)訴訟、民衆訴訟、機関訴訟の4つとしている。

抗告訴訟は、公権力の行使に関する不服の訴訟をいうものとされる。処分や裁決の取消しを求める取消訴訟がその典型である。

(ア)訴訟には、(ア)間の法律関係を確認しまたは形成する処分・裁決に関する訴訟で法令の規定によりこの訴訟類型とされる形式的(ア)訴訟と、公法上の法律関係に関する訴えを包括する実質的(ア)訴訟の2種類がある。後者の例を請求上の内容に性質に照らして見ると、国籍確認を求める訴えのような確認訴訟のほか、公法上の法律関係に基づく金銭の支払を求める訴えのような(イ)訴訟もある。

(ア)訴訟は、公法上の法律関係に関する訴えであるが、私法上の法律関係に関する訴えで処分・裁決の効力の有無が(ウ)となっているものは、(ウ)訴訟と呼ばれる。基礎となっている法律関係の性質から、(ウ)訴訟は行政事件訴訟ではないと位置付けられる。例えば、土地収用法に基づく収用裁決が無効であることを前提として、起業者に対し土地の明け渡しという(イ)を求める訴えは、(ウ)訴訟である。

民衆訴訟は、国または公共団体の機関の法規に適合しない行為の是正を求める訴訟で、選挙人たる資格その他自己の法律上の利益にかかわらない資格で提起するものをいう。例えば、普通地方公共団体の公金の支出が違法だとして(エ)監査請求をしたにもかかわらず監査委員が是正の措置をとらない場合に、当該普通地方公共団体の(エ)としての資格で提起する(エ)訴訟は民衆訴訟の一種である。

機関訴訟は、国または公共団体の機関相互間における権限の存否またはその行使に関する紛争についての訴訟をいう。法定受託事務の管理や執行について国の大臣が提起する地方自治法所定の代執行訴訟がその例である。

1)規範統制 2)財務 3)義務付け 4)給付 5)代表  6)前提問題 7)客観 8)差止め  9)未確定 10)職員 11)審査対象 12)争点 13)要件事実 14)当事者 15)主観 16)国家賠償 17)保留 18)住民 19)民事 20)基準

■解説

【難易度】易しい。今後の試験のためにも問題文全体を覚えておくと良い。

ア) 14)「当事者」。「この法律において『行政事件訴訟』とは、抗告訴訟当事者訴訟民衆訴訟及び機関訴訟をいう」(行政事件訴訟法2条)。

イ) 4)「給付」。形式的当事者訴訟の例は土地収用法上の損失の補償の訴え(土地収用法133条)がある。また実質的当事者訴訟の例としては、民事訴訟に対応して給付訴訟(公務員の俸給請求訴訟)、確認訴訟(国籍確認を求める訴え〔最判平成9年10月7日〕)がある。また法律上の特別規定があれば形成訴訟としての実質的当事者訴訟の提起も可能である。塩野宏『行政法U』第6版(2019年、有斐閣)268頁以下、274頁以下参照。

ウ) 12)「争点」。民事訴訟の中で、行政行為の有効、無効が先決問題となっている事件で、係争法律関係が私法上の法律関係であるものを争点訴訟という。塩野宏『行政法U』第6版(2019年、有斐閣)234頁、櫻井敬子−橋本博之『行政法』第5版(2016年、弘文堂)357−358頁。収用裁決が「無効」であれば、公定力がないから行政事件訴訟によらずここで言う「土地の明け渡し」を「民事訴訟」でやれるということになる。稲葉−人見−村上−前田『行政法』第4版(2018年、有斐閣)266頁。
なお先に「係争法律関係が私法上の法律関係」という言葉を使ったが、係争法律関係が「公法関係」となるもの(例。免職処分の無効を前提とする公務員の身分確認訴訟)は、争点訴訟ではなく、実質的当事者訴訟となる。前掲塩野237頁参照(ただし実質的当事者訴訟と民事訴訟の実際上の差はあまりない。前掲塩野271頁以下参照)。

エ) 18)「住民」。「(エ)監査請求」や「当該普通地方公共団体の(エ)としての資格」というあたりのキーワードから「住民」を入れることになる。民衆訴訟の定義については行政事件訴訟法5条、住民訴訟については地方自治法242条の2参照。

なお機関訴訟の定義については行政事件訴訟法6条、例としてあげられている代執行訴訟については地方自治法245条の8第3項参照。