■2019年行政書士試験・民法第1問(総則)

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■時効(2019−27)【判例問題】

時効の援用に関する次のア)−オ)の記述のうち、民法の規定および判例に照らし、妥当でないものの組合せはどれか。

ア) 時効による債権の消滅の効果は、時効期間の経過とともに確定的に生ずるものではなく、時効が援用されたときにはじめて確定的に生ずるものである。

イ) 時効の援用を裁判上行使する場合には、事実審の口頭弁論終結時までにする必要がある。

ウ) 被相続人の占有により取得時効が完成していた場合に、その共同相続人の一人は、自己の相続分の限度においてのみ取得時効を援用することができる。

エ) 保証人や連帯保証人は、主たる債務の消滅時効を援用することはできるが、物上保証人や抵当不動産の第三取得者は、被担保債権の消滅時効を援用することはできない。

オ) 主たる債務者である破産者が免責許可決定を受けた場合であっても、その保証人は、自己の保証債務を免れるためには、免責許可決定を受けた破産者の主たる債務について、消滅時効を援用しなければならない。

1) ア)、イ)
2) ア)、エ)
3) イ)、ウ)
4) ウ)、オ)
5) エ)、オ)

■解説

【難易度】普通。

ア) 正しい。最判昭和63年3月17日(不確定効果説)。山田−河内−安永−松久『民法T総則』第3版補訂(2007年、有斐閣)223頁。民法新145条参照。

イ) 正しい。上告審における援用は許されない。大判大正7年7月6日。

ウ) 正しい。最判平成13年7月10日である。

エ) 誤り。旧法下では、保証人や連帯保証人、物上保証人や抵当不動産の第三取得者は、判例法理上旧145条の「当事者」に含まれるつまり消滅時効の援用権者に該当すると解されてきたが、新法ではこれらの者が援用権者であることが明文化された(新145条括弧書)。

オ) 誤り。免責決定の効力を受ける債権は、債権者が履行を請求する等債権の実現がはかれなくなり、旧166条1項(新166条1項1号2号参照)にいう「権利を行使することができる時」を起算点とする消滅時効の進行を観念できないため、免責決定の効果が及ぶ債権の保証人は、その債権の消滅時効を援用できないというのが判例である(最判平成11年11月9日)。

よって正解は5)のエ)、オ)となろう。