■2019年行政書士試験・憲法第4問

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■教科書検定(2019−6)【判例問題】

教科書検定制度の合憲性に関する次の記述のうち、最高裁判所の判例に照らし、妥当でないものはどれか。

1) 国は、広く適切な教育政策を樹立、実施すべき者として、また、子供自身の利益を擁護し、子供の成長に対する社会公共の利益と関心にこたえるため、必要かつ相当な範囲で教育内容についてもこれを決定する権能を有する。

2) 教科書検定による不合格処分は、発表前の審査によって一般図書としての発行を制限するため、表現の自由の事前抑制に該当するが、思想内容の禁止が目的ではないから、検閲には当たらず、憲法21条2項前段の規定に違反するものではない。

3) 教育の中立・公正、教育水準の確保などを実現するための必要性、教科書という特殊な形態での発行を禁ずるにすぎないという制限の程度などを考慮すると、ここでの表現の自由の制限は合理的で必要やむを得ない限度のものというべきである。

4) 教科書は学術研究の結果の発表を目的とするものではなく、検定制度は一定の場合に教科書の形態における研究結果の発表を制限するにすぎないから、学問の自由を保障した憲法 23 条の規定に違反しない。

5) 行政処分には、憲法31条による法定手続の保障が及ぶと解すべき場合があるにしても、行政手続は行政目的に応じて多種多様であるから、常に必ず行政処分の相手方に告知、弁解、防御の機会を与える必要はなく、教科書検定の手続は憲法31条に違反しない。

■解説

【難易度】易しい。

1) 正しい。旭川学テ事件(最大判昭和51年5月21日)。芦部信喜(高橋和之補訂)『憲法』第5版(2011年、有斐閣)266頁、佐藤幸治『日本国憲法論』(2011年、成文堂)370頁。

2) 誤り。よってこれが正解である。(最判平成5年3月16日)。教科書検定は、「一般図書としての発行を何ら妨げるものではなく」、思想内容の発表禁止等の特質がないから、「検閲に当たらず、憲法21条2項前段の規定に違反するものではない」というのが判例である。前掲芦部芦部196頁、佐藤259頁

3) 正しい。最判平成5年3月16日。

4) 正しい。最判平成5年3月16日。

5) 正しい。最判平成5年3月16日。