■2019年行政書士試験・憲法第3問

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■選挙、選挙制度(2019−5)

選挙権・選挙制度に関する次の記述のうち、最高裁判所の判例に照らし、妥当でないものはどれか。

1) 国民の選挙権それ自体を制限することは原則として許されず、制約が正当化されるためにはやむを得ない事由がなければならないが、選挙権を行使するための条件は立法府が選択する選挙制度によって具体化されるものであるから、選挙権行使の制約をめぐっては国会の広い裁量が認められる。

2) 立候補の自由は、選挙権の自由な行使と表裏の関係にあり、自由かつ公正な選挙を維持する上で、きわめて重要な基本的人権であることに鑑みれば、これに対する制約は特に慎重でなければならない。

3) 一定の要件を満たした政党にも選挙運動を認めることが是認される以上、そうした政党に所属する候補者とそれ以外の候補者との間に選挙運動上の差異が生じても、それが一般的に合理性を有するとは到底考えられない程度に達している場合に、はじめて国会の裁量の範囲を逸脱し、平等原則に違反することになる。

4) 小選挙区制は、死票を多く生む可能性のある制度であることは否定し難いが、死票はいかなる制度でも生ずるものであり、特定の政党のみを優遇する制度とはいえないのであって、選挙を通じて国民の総意を議席に反映させる一つの合理的方法といい得る。

5) 比例代表選挙において、選挙人が政党等を選択して投票し、各政党等の得票数の多寡に応じて、政党等があらかじめ定めた当該名簿の順位に従って当選人を決定する方式は、投票の結果、すなわち選挙人の総意により当選人が決定される点で選挙人が候補者個人を直接選択して投票する方式と異ならず、直接選挙といい得る。

■解説

【難易度】やや難しい。

1) 誤り。よってこれが正解である。「自ら選挙の公正を害する行為をした者等の選挙権について一定の制限をすることは別として、国民の選挙権又はその行使を制限することは原則として許されず、国民の選挙権又はその行使を制限するためには、そのような制限をすることがやむを得ないと認められる事由がなければならない」というのが判例である(最大判平成17年9月14日)。芦部信喜(高橋和之補訂)『憲法』第5版(2011年、有斐閣)255頁

2) 正しい。最大判昭和43年12月4日。前掲芦部255頁、佐藤幸治『日本国憲法論』(2011年、成文堂)194頁。

3) 正しい。最大判平成23年3月23日。

4) 正しい。最大判平成11年11月10日。前掲芦部292ー295頁、佐藤411頁。

5) 正しい。最大判平成16年1月14日。芦部292ー295頁、佐藤411頁。