■2019年行政書士試験・憲法第1問

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■議員の地位(2019−3)

議員の地位に関する次の記述のうち、法令および最高裁判所の判例に照らし、妥当なものはどれか。

1) 衆参両議院の比例代表選出議員に欠員が出た場合、当選順位に従い繰上補充が行われるが、名簿登載者のうち、除名、離党その他の事由により名簿届出政党等に所属する者でなくなった旨の届出がなされているものは、繰上補充の対象とならない。

2) 両議院の議員は、国会の会期中逮捕されないとの不逮捕特権が認められ、憲法が定めるところにより、院外における現行犯の場合でも逮捕されない。

3) 両議院には憲法上自律権が認められており、所属議員への懲罰については司法審査が及ばないが、除名処分については、一般市民法秩序と関連するため、裁判所は審査を行うことができる。

4) 地方議会の自律権は、議院の自律権とは異なり法律上認められたものにすぎないので、裁判所は、除名に限らず、地方議会による議員への懲罰について広く審査を行うことができる。

5) 地方議会の議員は、住民から直接選挙されるので、国会議員と同様に免責特権が認められ、議会で行った演説、討論または表決について議会外で責任を問われない。

■解説

【難易度】易しい。正解となる選択肢以外の間違いを見つけるのはたやすいため、正解となる肢の知識がなくとも正解に達し得る。

1) 正しい。公職選挙法98条3項。

2) 誤り。両議院の議員は、法律の定める場合を除いては国会の会期中逮捕されない(憲法50条)が、ここでいう「法律の定める場合」には、「院外における現行犯」(国会法33条)がある。つまり院外における現行犯には不逮捕特権が及ばない。

3) 誤り。国会議員への懲罰、除名処分(憲法58条2項)両者についての審査は司法権の限界に抵触すると解されている。前掲芦部331−332頁、佐藤593頁。

4) 誤り。地方議会の議員に対する懲罰議決(3日間の出席停止)の審査については司法権の限界に抵触するが、除名処分については司法審査が及ぶというのが判例である(最大判昭和35年10月19日)。前掲芦部335頁、佐藤594頁。よって地方自治法135条1項で認められている懲罰に付き広く司法審査を行いうるという点は誤りである。

5) 誤り。免責特権(51条)は衆参「両議院の議員」に認められるものであって、地方議会の議員には認められない。