■2018年行政書士試験・民法第8問(親族)

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■離婚(2018−34)【判例問題】

離婚に関する次のア)−オ)の記述のうち、民法の規定および判例に照らし、妥当なものの組合せはどれか。

ア) 離婚における財産分与は、離婚に伴う精神的苦痛に対する損害の賠償も当然に含む趣旨であるから、離婚に際し財産分与があった場合においては、別途、離婚を理由とする慰謝料の請求をすることは許されない。

イ) 離婚に際して親権者とならず子の監護教育を行わない親には、子と面会・交流するためのいわゆる面接交渉権があり、この権利は親子という身分関係から当然に認められる自然権であるから、裁判所がこれを認めない判断をすることは憲法13条 の定める幸福追求権の侵害に当たる。

ウ) 父母が協議上の離婚をする場合に、その協議でその一方を親権者として定めなかったにもかかわらず、誤って離婚届が受理されたときであっても、当該離婚は有効に成立する。

エ) 民法の定める離婚原因がある場合には、当事者の一方は、その事実を主張して直ちに家庭裁判所に対して離婚の訴えを提起することができ、訴えが提起されたときは、家庭裁判所は直ちに訴訟手続を開始しなければならない。

オ) 夫婦の別居が両当事者の年齢および同居期間との対比において相当の長期間に及び、その夫婦の間に未成熟の子が存在しない場合には、相手方配偶者が離婚により極めて苛酷な状態に置かれる等著しく社会的正義に反するといえるような特段の事情のない限り、有責配偶者からの離婚請求であるとの一事をもって離婚が許されないとすることはできない。

1) ア)、イ)
2) ア)、ウ)
3) イ)、エ)
4) ウ)、オ)
5) エ)、オ)

■解説

【難易度】普通。

ア) 誤り。財産分与が、損害賠償の要素を含めた趣旨と解されないか、財産分与が請求者の苦痛を慰謝するに足りない場合、財産分与とは別個に慰謝料請求ができるとするのが判例(最判昭和46年7月23日)。藤岡−磯村−浦河−松本『民法W』第3版補訂(2009年、有斐閣)56頁。

イ) 誤り。面接交渉権が認められるかどうかは、憲法13条に反するかどうかの問題ではなく民法766条1項2項の解釈適用の問題であるというのが判例(最判昭和59年7月6日)である。

ウ) 正しい。765条2項、1項、819条1項。

エ) 誤り。民法は協議離婚のほか裁判離婚を認めるものの、家事事件手続法が調停前置主義を採用するため(家事事件手続法257条1項)、このようにいきなり訴えを提起することはできない。前掲藤岡他43頁。

オ) 正しい。最大判昭和62年9月2日。前掲藤岡他46−47頁。

よって正解は4)となろう。