■2018年行政書士試験・民法第7問(不法行為)

行政書士合格講座2018年行政書士試験の問題解説>2018年行政書士試験・民法第7問(不法行為)

このサイトについて・プライバシーポリシー 憲法学の窓・公務員試験対策室 Site Map

■不法行為、求償権(2018−33)【判例問題】

Aに雇われているBの運転する車が、Aの事業の執行中に、Cの車と衝突して歩行者Dを負傷させた場合に関する次の記述のうち、民法の規定および判例に照らし、妥当なものはどれか。なお、Aには使用者責任、BおよびCには共同不法行為責任が成立するものとする。

1) AがDに対して損害を全額賠償した場合、Aは、Bに故意または重大な過失があったときに限ってBに対して求償することができる。

2) AがDに対して損害を全額賠償した場合、Aは、損害の公平な分担という見地から均等の割合に限ってCに対して求償することができる。

3) CがDに対して損害を全額賠償した場合、Cは、Bに対してはB・C間の過失の割合によるBの負担部分について求償することができるが、共同不法行為者でないAに対しては求償することができない。

4) Cにも使用者Eがおり、その事業の執行中に起きた衝突事故であった場合に、AがDに対して損害を全額賠償したときは、Aは、AとEがそれぞれ指揮監督するBとCの過失の割合によるCの負担部分についてEに対して求償することができる。

5) BがAのほかFの指揮監督にも服しており、BがAとFの事業の執行中に起きた衝突事故であった場合に、AがDに対して損害を全額賠償したときは、Aは、損害の公平な分担という見地から均等の割合に限ってFに対して求償することができ る。

■解説

【難易度】普通。

1) 誤り。民法上の使用者責任(民法715条3項)は、国家賠償法(1条2項)のような求償権を制限する規定を置いていない。

2) 誤り。この場合Aの求償できる範囲は、BとCの過失割合によって定められるというのが判例である(最判昭和41年11月18日)。例えばBとCの過失割合が7対3であるならば、AはCに3割求償し得るということになる。藤岡−磯村−浦河−松本『民法W』第3版補訂(2009年、有斐閣)326頁。

3) 誤り。2)と逆に、第三者Cが先に全額賠償した場合、CはAにBの負担部分につき求償し得るというのが判例(最判昭和63年7月1日)である。前掲藤岡他326頁。

4) 正しい。最判平成3年10月25日である。前掲藤岡他316頁。

5) 誤り。加害者を同じくする使用者相互間の求償については、AはBの過失割合を超えた部分につきFに求償し得るというのが判例(最判平成3年10月25日)である。前掲藤岡他316頁。