■2018年行政書士試験・民法第4問(物権)

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■抵当権(2018−30)【判例問題】

抵当権の効力に関する次の記述のうち、民法の規定および判例に照らし、妥当なものはどれか。

1) 抵当権の効力は抵当不動産の従物にも及ぶが、抵当不動産とは別個に従物について対抗要件を具備しなければ、その旨を第三者に対して対抗することができない。

2) 借地上の建物に抵当権が設定された場合において、その建物の抵当権の効力は、特段の合意がない限り借地権には及ばない。

3) 買戻特約付売買の買主が目的不動産について買主の債権者のために抵当権を設定し、その旨の登記がなされたところ、その後、売主が買戻権を行使した場合、買主が売主に対して有する買戻代金債権につき、上記抵当権者は物上代位権を行使することができる。

4) 抵当不動産が転貸された場合、抵当権者は、原則として、転貸料債権(転貸賃料請求権)に対しても物上代位権を行使することができる。

5) 抵当権者が、被担保債権について利息および遅延損害金を請求する権利を有するときは、抵当権者は、原則として、それらの全額について優先弁済権を行使することができる。

■解説

【難易度】やや難しい。

1) 誤り。確かに民法370条の「付加一体物」に従物は含まれると解されているが(通説。なお最判平成2年4月19日)、従物について登記を具備しなくとも、抵当不動産の登記をもって抵当不動産の付加一体物につき第三者に対抗し得るというのが判例である(最判昭和44年3月28日。根抵当権の事案)。淡路−鎌田−原田−生熊『民法U』第2版(1994年、有斐閣)251−252頁。

2) 誤り。抵当不動産の従たる権利(ここでは借地権)についても、抵当権の効力は及ぶと解されている。最判昭和40年5月4日。前掲淡路他252頁。

3) 正しい。最判平成11年11月30日である。買戻し代金は、抵当権の目的不動産の価値変形物と考えられるから「目的物の売却又は滅失によって債務者が受けるべき金銭」(304、372条)に当たるというのが判例である。

4) 誤り。この場合物上代を否定するのが判例である(最判平成12年4月14日)。抵当不動産の所有者は、被担保債権の履行につきその不動産をもって物的責任を負うが、転貸人はそのような責任を負うものではなく、自分の債権を被担保債権の弁済に供されるべき立場にないというのがその理由である。

5) 誤り。この場合抵当権者は、利息や遅延損害金全額につき優先弁済権を行使できるのではなく、通算して最後の2年分についてのみ行使できる(375条1、2項)。