■2018年行政書士試験・憲法第5問

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■国事行為(2018−7)【条文知識問題】

次の文章の空欄(ア)−(オ)に当てはまる語句の組合せとして、妥当なものはどれか。

大赦、特赦、減刑、刑の執行の免除及び復権は、(ア)においてこれを決定し…(中略)…、(イ)はこれを(ウ)することにした。ここにあげた(エ)権は、旧憲法では(イ)の(オ)に属していたが、新憲法において、その決定はこれを(ア)の権能とし、(イ)はただこれを(ウ)するに止まることになったのであるが、議会における審議に当って、(エ)は、栄典とともに(イ)の権能として留保すべきであるという主張があった。これに対して、政府は、(エ)は法の一般性又は裁判の法律に対する忠実性から生ずる不当な結果を調節する作用であり、立法権、司法権及び行政権の機械的分立から生ずる不合理を是正するための制度であって、その運用には、政治的批判を伴うものであることを理由として、その実質的責任はすべてこれを(ア)に集中するとともに、「それが国民にもたらす有難さを(ウ)の形式を以て表明する」こととしたと説明している。
(出典 法学協会編『註解日本国憲法上巻』1948年から)

ア イ ウ エ オ
1) 最高裁判所 国会 議決 免訴 自律権
2) 内閣 天皇 認証 恩赦 大権
3) 内閣 天皇 裁可 免訴 専権
4) 内閣総理大臣 内閣 閣議決定 恩赦 専権
5) 国会 天皇 認証 恩赦 大権

■解説

【難易度】易しい。かなり多くの受験生がこの問題で初めて『註解日本国憲法』(コンメンタール)の存在を知ったと思うが、この問題は、註解の内容とは無関係の単なる条文知識問題にすぎない。なお引用文は、法学協会編『註解日本国憲法』上巻(1948年、有斐閣)174頁にある。

ア) 内閣。「大赦、特赦、減刑、刑の執行の免除及び復権」の「決定」は、「内閣」が行う(日本国憲法73条7号)。

イ) 天皇。「大赦、特赦、減刑、刑の執行の免除及び復権」に関係する機関は、憲法上内閣の他は天皇しかいない。なお後に出てくる「栄典」(7条7号)という言葉もヒントになろう。

ウ) 認証。天皇は「大赦、特赦、減刑、刑の執行の免除及び復権」を「認証」する(7条6号、国事行為)。

エ) 恩赦。「大赦、特赦、減刑、刑の執行の免除及び復権」を総称して「恩赦」という。憲法上の言葉ではないが、旧憲法下の例にならい恩赦という言葉が用いられている。現在恩赦については恩赦法が規律するところである。佐藤幸治『日本国憲法論』(成文堂、2011年)501頁参照。

オ) 大権。君主の権能のことを大権という。旧憲法下では大権のうち、皇室大権、統制大権、栄典大権(大日本帝国憲法15条)は、国務大臣による輔弼の外にあり、内閣や国会からも独立したものであった。芦部信喜『憲法学T』(1992年、有斐閣)144頁。

よって正解は2)となろう。