■2018年行政書士試験・地方自治法第3問

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■地方自治法(2018−24)【条文知識問題】

地方自治法の定める都道府県の事務に関する次の記述のうち、正しいものはどれか。

1) 都道府県は、自治事務については条例を制定することができるが、法定受託事務については条例を制定することができない。

2) 都道府県の事務は、自治事務、法定受託事務および機関委任事務の3種類に分類される。

3) 都道府県の自治事務については、地方自治法上、どのような事務がこれに該当するかについて、例示列挙されている。

4) 都道府県の法定受託事務は、国が本来果たすべき役割に係るものであるから、法定受託事務に関する賠償責任は国にあり、都道府県に賠償責任が生じることはないものとされている。

5) 都道府県の自治事務と法定受託事務は、いずれも事務の監査請求および住民監査請求の対象となることがある。

■解説

【難易度】易しい。

1) 誤り。法定受託事務も地方公共団体の事務なので、法令の範囲内で条例を制定し得る。「地域における事務である限り、自治事務であるか法定受託事務であるかを問わず条例の規律対象となり得る」塩野宏『行政法V』第2版(2001年、有斐閣)143頁、櫻井敬子−橋本博之『行政法』第5版(2016年、弘文堂)54頁。地方自治法2条2項、9項、14条1項。

2) 誤り。機関委任事務は、地方分権改革に伴う平成11年の地方自治法改正に伴いすでに廃止されている。前掲塩野127頁、櫻井他52頁。

3) 誤り。自治事務は、「『地方公共団体が処理する事務のうち、法定受託事務以外のもの』と控除的に定義される」(2条8項)のであり、自治事務につき例示列挙する規定があるわけではない。前掲塩野127頁、櫻井他52頁。

4) 誤り。法定受託事務も地方公共団体の事務なので、1号法定受託事務についても都道府県が公権力を行使すれば、国家賠償法1条の対象となり得る。なお、国の事務である旧機関委任事務ですら地方公共団体も賠償責任を負うと解されていた以上(国家賠償法3条参照)、法定受託事務についても地方公共団体の賠償責任が肯定されよう。塩野宏『行政法U』第4版(2005年、有斐閣)315頁。

5) 正しい。なお199条2項括弧書参照のこと。