■2018年行政書士試験・地方自治法第1問

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■地方自治法(2018−22)【条文知識問題】

地方自治法の定める特別区に関する次の記述のうち、妥当なものはどれか。

1) 特別区は、かつては特別地方公共団体の一種とされていたが、地方自治法の改正により、現在は、市町村などと同様の普通地方公共団体とされており、その区長も、公選されている。

2) 特別区は、独立の法人格を有する地方公共団体である点においては、指定都市に置かれる区と相違はないが、議会や公選の区長を有すること、さらには条例制定権限を有する点で後者とは異なる。

3) 特別区は、その財源を確保するために、区民税などの地方税を賦課徴収する権限が認められており、その行政の自主的かつ計画的な運営を確保するため、他の地方公共団体から交付金を受けることを禁じられている。

4) 特別区は、地方自治法上は、都に設けられた区をいうこととされているが、新たな法律の制定により、廃止される関係市町村における住民投票などの手続を経て、一定の要件を満たす他の道府県においても設けることが可能となった。

5) 特別区は、原則として、市町村と同様の事務を処理することとされているが、特別区相互間の事務の調整を確保する見地から、市町村と異なり、その事務の執行について、区長等の執行機関は、知事の一般的な指揮監督に服する。

■解説

【難易度】やや難しい。

1) 誤り。特別区は今も特別地方公共団体である(地方自治法1条の3第3項)。区長公選についての説明は正しい(283条1項)。なお最大判昭和38年3月27日参照。塩野宏『行政法V』第2版(2001年、有斐閣)122頁、櫻井敬子−橋本博之『行政法』第5版(2016年、弘文堂)49頁。

2) 誤り。指定都市に置かれる区は「独立の法人格を有する地方公共団体」ではない(行政区に過ぎない)。「独立の法人格を有する地方公共団体」は区でなく「」である(1条の3第2項)。前掲塩野116頁。

3) 誤り。特別区は特別区財政調整交付金を都から交付されるので(282条1項)、「他の地方公共団体から交付金を受けることを禁じられている」ということはない。区民税(住民税)の説明は正しい。前掲塩野138頁。

4) 正しい。「大都市地域における特別区の設置に関する法律」により道府県でも特別区の設置が可能になった。前掲櫻井他49頁。

5) 誤り。281条の6が規定するような助言、勧告制度はあるが、特別区が知事の一般的な指揮監督に服するという事はない。