■2018年行政書士試験・行政救済法第5問

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■行政事件訴訟法(2018−18)【条文知識問題】

行政事件訴訟法の定める民衆訴訟と機関訴訟に関する次の記述のうち、法令または最高裁判所の判例に照らし、妥当なものはどれか。

1) A県知事に対してA県住民が県職員への条例上の根拠を欠く手当の支給の差止めを求める訴訟は、民衆訴訟である。

2) A県県営空港の騒音被害について、被害を受けたと主張する周辺住民がA県に対して集団で損害の賠償を求める訴訟は、民衆訴訟である。

3) A県が保管する国の文書について、A県知事が県情報公開条例に基づき公開の決定をした場合において、国が当該決定の取消しを求める訴訟は、機関訴訟である。

4) A県議会議員の選挙において、その当選の効力に関し不服がある候補者がA県選挙管理委員会を被告として提起する訴訟は、機関訴訟である。

5) A県がB市立中学校で発生した学校事故にかかわる賠償金の全額を被害者に対して支払った後、B市が負担すべき分についてA県がB市に求償する訴訟は、機関訴訟である。

■解説

【難易度】普通。

1) 正しい。地方自治法242条の2第1項1号。地方自治法上の住民訴訟は民衆訴訟の例の1つである。櫻井敬子−橋本博之『行政法』第5版(2016年、弘文堂)259頁、稲葉−人見−村上−前田『行政法』第4版(2018年、有斐閣)219頁以下。

2) 誤り。当該訴訟は国家賠償訴訟(国家賠償法2条1項)であるが、国家賠償請求権は私権と解されているので、国家賠償訴訟は民事訴訟となる。塩野宏『行政法U』第6版(2019年、有斐閣)351頁。なお大阪空港訴訟判決(最大判昭和56年12月16日)参照。前掲櫻井他384頁、稲葉他334頁。

3) 誤り。これは機関訴訟ではなく取消訴訟である。なお那覇市自衛隊基地情報公開事件(最判平成13年7月13日)参照。前掲稲葉他171頁以下参照。

4) 誤り。このような選挙に関する訴訟(公職選挙法203条1項)は民衆訴訟の例の1つである。前掲櫻井他259頁、稲葉他219頁。

5) 誤り。求償権(国家賠償法3条2項)についての訴訟は民事訴訟である。