■2018年行政書士試験・行政救済法第1問

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■行政不服審査法(2018−14)【条文知識問題】

行政不服審査法の定める不作為についての審査請求に関する次の記述のうち、妥当なものはどれか。

1) 不作為についての審査請求は、当該処分についての申請をした者だけではなく、当該処分がなされることにつき法律上の利益を有する者がなすことができる。

2) 不作為についての審査請求は、法令に違反する事実がある場合において、その是正のためにされるべき処分がなされていないときにも、なすことができる。

3) 不作為についての審査請求の審査請求期間は、申請がなされてから「相当の期間」が経過した時点から起算される。

4) 不作為についての審査請求の審理中に申請拒否処分がなされた場合については、当該審査請求は、拒否処分に対する審査請求とみなされる。

5) 不作為についての審査請求がなされた場合においても、審査庁は、原則として、その審理のために、その職員のうちから審理員を指名しなければならない。

■解説

【難易度】普通。

1) 誤り。不作為について審査請求をすることができる者は、「法令に基づき行政庁に対して処分についての申請をした者」(行政不服審査法3条)である。なお処分について審査請求することができる者は、「行政庁の処分に不服がある者」(2条)即ち「法律上の利益を有する者」(主婦連ジュース訴訟判決〔最判昭和53年3月14日〕)である。櫻井敬子−橋本博之『行政法』第5版(2016年、弘文堂)236頁、稲葉−人見−村上−前田『行政法』第4版(2018年、有斐閣)205−206頁。

2) 誤り。不作為についての審査請求では、「法令に基づく申請に対して何らの処分をもしないこと」(3条)が審査の対象になるのであり、ここで言うような是正のための「作為をしないという不作為」は対象とされない。

3) 誤り。不作為についての審査請求には、「審査請求期間の制限はなく、不作為状態が続く限り審査請求ができる」前掲櫻井他236頁、稲葉他207頁。

4) 誤り。このような「みなし」規定は存在しない。3条は、「行政庁が何らの処分もしないという不作為の存在を審査請求をすることができる要件としている解される」ので、本肢のように「審査請求の審理中に申請拒否処分がなされた場合」は、審査請求自体が不適法になる、つまり当該審査請求は却下される(49条1項)ということになろう。宇賀克也『行政不服審査法の逐条解説』(2015年、有斐閣)209頁参照。

5) 正しい。9条1項本文。