■2018年行政書士試験・行政法総論第3問

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■行政行為の取消、無効(2018−10)【条文知識問題】

行政処分の無効と取消しに関する次の記述のうち、正しいものはどれか。

1) 行政処分が無効である場合、当該処分はその成立当初から効力を認められないから、当該処分に対する取消訴訟を提起することはできない。

2) 行政処分が無効である場合、行政不服審査法が定める審査請求期間にかかわらず、当該行政処分の審査請求をすることができる。

3) 行政処分の職権取消しは、当該処分に対する相手方等の信頼を保護する見地から、取消訴訟の出訴期間内に行わなければならない。

4) 行政処分が職権により取り消された場合、取消しの対象となった処分の効力は消滅するので、これを争う相手方は、当該処分の有効確認の訴えを提起しなければならない。

5) 行政処分の違法を理由として国家賠償を請求するためには、その取消しまたは無効確認の確定判決をあらかじめ得ておく必要はない。

■解説

【難易度】やや難しい。但し正解の肢を見つけるのはたやすい。

1) 誤り。無効な行政処分について取消訴訟を提起することも可能である。そして取消訴訟で無効原因となる瑕疵が主張されても取消訴訟として審理してよく、当該主張が立証されれば請求は認容される。塩野宏『行政法U』第6版(2019年、有斐閣)232−233頁。

2) 誤り。行政不服審査法は、取消しうべき処分、無効となる処分を区別することなしに、「処分についての審査請求は、処分があったことを知った日の翌日から起算して三月」「を経過したときは、することができない」(行政不服審査法18条1項本文)としているので、無効の行政処分であっても審査請求期間の縛りを受ける。

3) 誤り。取消訴訟の出訴期間についての定めは、行政行為の取消を請求する国民の側に向けられるものであり、職権取消を行う行政側に向けられたものではない。即ち出訴期間に縛られずに、行政は処分に瑕疵が認められる限り職権取消をし得る。塩野宏『行政法T』第5版(2009年、有斐閣)169−170頁参照。

4) 誤り。処分を取り消す行為自体も行政行為のため、ここでの相手方は「処分を取り消す行政行為(処分)の取消訴訟」を提起することになる。前掲塩野169頁参照。

5) 正しい。こう解するのが通説、判例である。前掲塩野147−148頁。