■2018年行政書士試験・行政法総論第1問

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■行政代執行法(2018−8)【条文知識問題】

行政代執行法(以下「同法」という。)に関する次のア)−オ)の記述のうち、正しいものの組合せはどれか。

ア) 代執行に要した費用については、義務者に対して納付命令を発出したのち、これが納付されないときは、国税滞納処分の例によりこれを徴収することができる。

イ) 代執行を行うに当たっては、原則として、同法所定の戒告および通知を行わなければならないが、これらの行為について、義務者が審査請求を行うことができる旨の規定は、同法には特に置かれていない。

ウ) 行政上の義務の履行確保に関しては、同法の定めるところによるとした上で、代執行の対象とならない義務の履行確保については、執行罰、直接強制、その他民事執行の例により相当な手段をとることができる旨の規定が置かれている。

エ) 代執行の実施に先立って行われる戒告および通知のうち、戒告においては、当該義務が不履行であることが、次いで通知においては、相当の履行期限を定め、その期限までに履行がなされないときは代執行をなすべき旨が、それぞれ義務者に示される。

オ) 代執行の実施に当たっては、その対象となる義務の履行を督促する督促状を発した日から起算して法定の期間を経過してもなお、義務者において当該義務の履行がなされないときは、行政庁は、戒告等、同法の定める代執行の手続を開始しなければならない。

1) ア)、イ)
2) ア)、エ)
3) イ)、ウ)
4) ウ)、オ)
5) エ)、オ)

■解説

【難易度】普通。

ア) 正しい。行政代執行法5条、6条1項。

イ) 正しい。そのため要件を具備していない等、違法な戒告や通知(3条1、2項)がなされた場合、救済の見地からこの両者に処分性を認め、取消訴訟の対象にできると解するのが通説、判例である。櫻井敬子−橋本博之『行政法』第5版(2016年、弘文堂)172頁。

ウ) 誤り。前半部分は正しいが(1条)、ここで言う規定は存在しない。なお執行罰は砂防法のみに規定があるにとどまるし、直接強制についてもこれを認める個別法はほとんどないという状態である。前掲櫻井他176−177頁。

エ) 誤り。「戒告」では「相当の履行期限を定め、その期限までに履行がなされないときは、代執行をなすべき旨」(3条1項)が示され、「通知」では「代執行をなすべき時期、代執行のために派遣する執行責任者の氏名及び代執行に要する費用の概算による見積額」が示される(3条2項)。

オ) 誤り。「督促状を発した日から起算して法定の期間を経過してもなお、義務者において当該義務の履行がなされないときは」行政庁は戒告等の代執行手続を開始しなければならないという規定はない。

よって正解は1)のア)、イ)となろう。