■2018年行政書士試験・法令記述式第3問

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■民法(2018−46)【条文知識問題】

甲自動車(以下「甲」という。)を所有するAは、別の新車を取得したため、友人であるBに対して甲を贈与する旨を口頭で約し、Bも喜んでこれに同意した。しかしながら、Aは、しばらくして後悔するようになり、Bとの間で締結した甲に関する贈与契約をなかったことにしたいと考えるに至った。甲の引渡しを求めているBに対し、Aは、民法の規定に従い、どのような理由で、どのような法的主張をすべきか。40字程度で記述しなさい。なお、この贈与契約においては無効および取消しの原因は存在しないものとする。

■解説

【難易度】易しい。

問題文に、Aは「Bに対して甲を贈与する旨を口頭で約し」Bも同意したとあるので、「口頭」に基づく(無効、取消原因のない完全有効な)「贈与契約」が成立したという事が分かる。そして契約締結後Aは当該契約を解消したいと考えるようになったが、本問では贈与契約の解消について定める民法550条を要約して論述することになる。

解答としては次のようになろうか。
書面によらない贈与であり、履行が終わってないことを理由に、本件契約を撤回する旨主張すべき。(45文字)

@ 550条の「履行の終わった」とは、動産については引渡を意味する、不動産については、引渡があれば登記を移転してなくとも(大判大正9年6月17日)、また引渡なくとも登記の移転があれば(最判昭和40年3月26日)、履行が終わったことになる。
A 「書面による贈与」の場合は、書面によらない贈与の場合と異なり未履行であっても撤回することはできない。但し忘恩行為の場合に注意しておくこと。本問につき、藤岡−磯村−浦河−松本『民法W』第3版補訂(2009年、有斐閣)56−59頁参照。