■2018年行政書士試験・法令記述式第2問

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■民法(2018−45)【条文知識問題】

画家Aは、BからAの絵画(以下「本件絵画」といい、評価額は500万円−600万円であるとする。)を購入したい旨の申込みがあったため、500万円で売却することにした。ところが、A・B間で同売買契約(本問では、「本件契約」とする。)を締結したときに、Bは、成年被後見人であったことが判明したため(成年後見人はCであり、その状況は現在も変わらない。)、Aは、本件契約が維持されるか否かについて懸念していたところ、Dから本件絵画を気に入っているため600万円ですぐにでも購入したい旨の申込みがあった。Aは、本件契約が維持されない場合には、本件絵画をDに売却したいと思っている。Aが本件絵画をDに売却する前提として、Aは、誰に対し、1か月以上の期間を定めてどのような催告をし、その期間内にどのような結果を得る必要があるか。なお、AおよびDは、制限行為能力者ではない。

「Aは、」に続け、下線部分につき40字程度で記述しなさい。記述に当たっては、「本件契約」を入れることとし、他方、「1か月以上の期間を定めて」および「その期間内に」の記述は省略すること。

■解説

【難易度】普通。

Aは、Bとの間で本件絵画の売買契約を締結したものの、Bが成年被後見人(民法8条)であるため本件契約が取消され得る(9条)ことに懸念を持っている。その上Dが本件絵画をBより高く購入したいと申込をしてきたため、AはDと当該絵画の売買契約を締結したい。本問は、その前提として本件契約を解消するためにAがしなければならないことをは問うている。

@「どのような催告をし」。制限行為能力者が単独でした行為は取消されうるため、相手方は不安定な地位に置かれる。そのため法は相手方のために催告権(20条)を規定しているが、@については「本件契約」という言葉と共に20条の文言を記述することになる。

A「誰に対し」。上の催告を誰にするか。「現在も」Bには成年後見人Cがついているので、催告は「」に対し行う(20条2項)。この場合Bに催告しても、Bは催告の受領能力がないので(98条の2本文)、Aは催告をしたことをBに対抗し得ない。なお「Bが成年被後見人でなくなれば」B本人に催告をする(20条1項)。

B「どのような結果を得る」。本件契約をCが「追認する」とAは本件契約に拘束され続けるので、AはCから「追認しない」旨の結果を得なければならない。本問については、山田−河内−安永−松久『民法T』第3版補訂(2007年、有斐閣)47−49頁、143頁。

解答としては次のようになろうか。
Aは
Cに対し、本件契約を追認するかどうかを確答すべき旨の催告をし、追認しない旨の確答を得る。(44文字)