■2017年行政書士試験・民法第2問(総則)

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■錯誤(2017−28)【判例問題】

錯誤等に関する次の記述のうち、民法の規定および判例に照らし、妥当でないものはどれか(民法改正に伴い問題文の修正がある。修正については下の「解説」より飛べるリンク先参照)。

1) 要素の錯誤が成立する場合において、表意者に錯誤に基づく無効を主張する意思がないときであっても、表意者自身が錯誤を認めており、表意者に対する債権を保全する必要がある場合、表意者の債権者は、表意者の錯誤を理由とする無効を主張することができる。

2) 売買代金に関する立替金返還債務のための保証において、実際には売買契約が偽装されたものであったにもかかわらず、保証人がこれを知らずに保証契約を締結した場合、売買契約の成否は、原則として、立替金返還債務を主たる債務とする保証契約の重要な内容であるから、保証人の錯誤は要素の錯誤に当たる。

3) 婚姻あるいは養子縁組などの身分行為は錯誤に基づく無効の対象とならず、人違いによって当事者間に婚姻または縁組をする意思がないときであっても、やむを得ない事由がない限り、その婚姻あるいは養子縁組は無効とならない。

4) 連帯保証人が、他にも連帯保証人が存在すると誤信して保証契約を締結した場合、他に連帯保証人があるかどうかは、通常は保証契約の動機にすぎないから、その存在を特に保証契約の内容とした旨の主張立証がなければ、連帯保証人の錯誤は要素の錯誤に当たらない。

5) 離婚に伴う財産分与に際して夫が自己所有の不動産を妻に譲渡した場合において、実際には分与者である夫に課税されるにもかかわらず、夫婦ともに課税負担は専ら妻が負うものと認識しており、夫において、課税負担の有無を重視するととも に、自己に課税されないことを前提とする旨を黙示的に表示していたと認められるときは、要素の錯誤が認められる。

■解説

【難易度】易しい。民法改正に伴う補足事項がある(外部ブログ)。

1) 妥当である。最判昭和45年3月26日である。

2) 妥当である。最判平成14年7月11日である。

3) 妥当でない。よってこれが正解である。人違いその他の事由によって当事者間に婚姻や縁組をする意思がないとき、婚姻や縁組は無効となる(民法742条1号、802条1号)。

4) 妥当である。最判昭和32年12月19日である。野村−栗田−池田−永田『民法V』第2版補訂(1999年、有斐閣)147頁。

5) 妥当である。最判平成1年9月14日である。佐藤−伊藤−右近『民法X』第2版補訂(2000年、有斐閣)58頁。