■2017年行政書士試験・地方自治法第3問

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■地方自治法(2017−24)【判例問題】

地方自治法による住民監査請求と住民訴訟に関する次の記述のうち、法令および最高裁判所の判例に照らし、妥当なものはどれか。

1) 地方公共団体が随意契約の制限に関する法令の規定に違反して契約を締結した場合、当該契約は当然に無効であり、住民は、その債務の履行の差止めを求める住民訴訟を提起することができる。

2) 住民訴訟によって、住民は、地方公共団体の契約締結の相手方に対し、不当利得返還等の代位請求をすることができる。

3) 住民監査請求をするに当たって、住民は、当該地方公共団体の有権者のうち一定数以上の者とともに、これをしなければならない。

4) 地方公共団体の住民が違法な公金の支出の差止めを求める住民訴訟を適法に提起した場合において、公金の支出がなされることによる重大な損害を避けるため、同時に執行停止の申立ても行うことができる。

5) 監査委員が適法な住民監査請求を不適法として却下した場合、当該請求をした住民は、適法な住民監査請求を経たものとして、直ちに住民訴訟を提起することができる。

■解説

【難易度】普通。

1) 誤り。この場合当該契約は当然無効となるわけではなく、随意契約締結を規制する法令の趣旨を没却するような結果となる特段の事情がある場合に限り、無効になるとするのが判例である(最判昭和62年5月19日)。櫻井敬子−橋本博之『行政法』第5版(2016年、弘文堂)125頁。

2) 誤り。これは旧4号代位訴訟の説明であろう。現在4号訴訟は、「損害賠償又は不当利得返還の請求をすることを当該普通地方公共団体の執行機関又は職員に対して求める請求」に改正されている(242条の2第1項4号)。

3) 誤り。住民監査請求は当該普通地方公共団体の住民」(242条1項)であればこれをなし得る。「1人」でも差し支えない。また国籍、年齢、自然人か法人かを問わない。塩野宏『行政法V』第2版(2001年、有斐閣)167頁。

4) 誤り。このような申立はできない。なお「行政処分たる当該行為の取消又は無効確認の請求」(242条の2第1項2号)を求める場合は、執行停止が認められよう。

5) 正しい。最判平成10年12月18日である。前掲塩野169頁。