■2017年行政書士試験・行政救済法第9問

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■行政事件訴訟法(2017−26)【条文知識問題】

次の文章は、X県知事により行われる、ある行政処分に付される教示である。これに関する次のア)−オ)の記述のうち、妥当なものの組合せはどれか。

(教示)
この処分に不服があるときは、この処分のあったことを知った日の翌日から起算して3か月以内にX県知事に審査請求をすることができます(処分のあった日の翌日から起算して1年を経過した場合は除きます。)。

また、この処分に対する取消訴訟については、 (a)を被告として、この処分のあったことを知った日の翌日から起算して6か月以内に提起することができます(処分があったことを知った日の翌日から起算して1年を経過した場合は除きます。)。ただし、処分のあったことを知った日の翌日から起算して3か月以内に審査請求をした場合には、処分の取消訴訟は、その審査請求に対する裁決の送達を受けた日の翌日から起算して6か月以内に提起しなければなりません(裁決のあった日の翌日から起算して1年を経過した場合は除きます。)。

ア) この教示を怠っても、当該処分がそれを理由として取り消されることはない。

イ) 空欄(a)に当てはまるものは、X県知事である。

ウ) この教示は、行政不服審査法と行政事件訴訟法に基づいて行われている。

エ) この教示が示す期間が過ぎた場合には、取消訴訟を提起することはできないが、正当な理由がある場合には、審査請求のみは許される。

オ) この教示は、審査請求の裁決を経てからでなければ、取消訴訟が提起できないことを示している。

1) ア)、イ)
2) ア)、ウ)
3) イ)、ウ)
4) ウ)、オ)
5) エ)、オ)

■解説

【難易度】普通。便宜上行政事件訴訟法の問題と分類している。

ア) 正しい。これの判断が難しかったであろうか。高裁レベルだが東京高判昭和55年12月24日参照。なおこのような場合、処分を取消すのではなく行政不服審査法18条1項但書や行政事件訴訟法14条1項但書の「正当な理由」の解釈で救済を図ることになろう。宇賀克也『行政不服審査法の逐条解説』(2015年、有斐閣)92頁、塩野宏『行政法U』第6版(2019年、有斐閣)156頁。

イ) 誤り。処分の取消訴訟の被告適格は「当該処分をした行政庁の所属する国又は公共団体」(行政事件訴訟法11条1項1号)である。

ウ) 正しい。行政不服審査法82条、行政事件訴訟法46条。

エ) 誤り。教示に示された期間が過ぎた場合であっても、「正当な理由」があれば取消訴訟を提起し、また審査請求をすることが可能である(行政不服審査法18条1項但書、同条2項但書、行政事件訴訟法14条1項但書、同条2項但書)。

オ) 誤り。この教示は、「ある処分」につき審査請求も取消訴訟の提起もできるとしているので、自由選択主義の原則を示している(行政事件訴訟法8条1項本文)。

正解は2)のア)、ウ)である。なお教示2段落目の内容と行政事件訴訟法14条1項2項の違いについては、前掲宇賀90頁、および民法140条本文(初日不算入原則)参照。