■2017年行政書士試験・行政救済法第5問

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■行政事件訴訟法(2017−18)【条文知識問題】

行政事件訴訟法3条3項による「裁決の取消しの訴え」に関する次の記述のうち、妥当なものはどれか。

1) 「裁決の取消しの訴え」の対象とされている裁決は、「義務付けの訴え」や「差止めの訴え」の対象ともされている。

2) 「裁決の取消しの訴え」について、原告適格が認められるのは、裁決の相手方である審査請求人に限られ、それ以外の者には、原告適格は認められない。

3) 「裁決の取消しの訴え」は、審査請求の対象とされた原処分に対する「処分の取消しの訴え」の提起が許されない場合に限り、提起が認められる。

4) 「裁決の取消しの訴え」については、審査請求に対する裁決のみが対象とされており、再調査の請求に対する決定は、「処分の取消しの訴え」の対象とされている。

5) 「裁決の取消しの訴え」については、「処分の取消しの訴え」における執行停止の規定は準用されていないから、裁決について、執行停止を求めることはできない。

■解説

【難易度】普通。

1) 正しい。行政事件訴訟法3条3項、6項、7項。同条3項括弧書に注意。同条6項、7項の「裁決」は、「以下単に『裁決』という」と定める括弧書をそのまま受けていることに注意。

2) 誤り。裁決の取消訴訟は、当該裁決の取消を求めるにつき「法律上の利益を有する者」であれば提起することができ、これは必ずしも裁決の相手方に限られるわけではなく、第三者でもよい(9条1項)。塩野宏『行政法U』第6版(2019年、有斐閣)131−132頁参照、櫻井敬子−橋本博之『行政法』第5版(2016年、弘文堂)281頁参照。

3) 誤り。このような限定はない。なお原処分と、不服申立棄却の裁決、決定があった場合、形式的には2つの処分が存在するが、これにつき処分の取消訴訟、裁決の取消訴訟の「いずれも提起できる」(前掲塩野94頁。原処分主義に注意〔10条2項〕)。また両者を提起することも可能である(なお16条参照)。前掲塩野94−95頁参照。

4) 誤り。裁決の取消訴訟は、「審査請求その他の不服申立て(以下単に「審査請求」という。)に対する行政庁の裁決、決定その他の行為」の取消を求める訴訟(3条3項)であるから、再調査の請求に対する決定も裁決の取消訴訟の対象となる。

5) 誤り。処分の取消訴訟についての執行停止の規定は、裁決の取消訴訟にも準用されている(29条、25条)。