■2017年行政書士試験・行政救済法第4問

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■行政事件訴訟法(2017−17)【条文知識問題】

許認可の申請拒否処分の取消訴訟に関する次の記述のうち、妥当なものはどれか。

1) 申請拒否処分の取消訴訟には、申請された許認可を命ずることを求める義務付け訴訟を併合提起できるが、当該申請拒否処分の取消訴訟のみを単独で提起することも許される。

2) 申請拒否処分の取消訴訟を提起した者は、終局判決の確定まで、申請された許認可の効果を仮に発生させるため、当該申請拒否処分の効力の停止を申し立てることができる。

3) 申請拒否処分の取消訴訟については、出訴期間の制限はなく、申請を拒否された者は、申請された許認可がなされない限り、当該申請拒否処分の取消訴訟を提起できる。

4) 申請拒否処分の取消訴訟の係属中に当該申請拒否処分が職権で取り消され、許認可がなされた場合には、当該取消訴訟は訴えの利益を失い、請求は棄却されることとなる。

5) 申請拒否処分の取消訴訟において、当該申請拒否処分の取消しの判決が確定した場合には、その判決の理由のいかんにかかわらず、処分庁は、再度、申請拒否処分をすることは許されない。

■解説

【難易度】普通。

1) 正しい。処分の取消訴訟に義務付け訴訟を併合提起することもできるし、取消訴訟単独でも提起できる。但し「義務付け訴訟を提起する場合」は、取消訴訟を併合提起しなければならない(行政事件訴訟法37条の3第3項)。

2) 誤り。執行停止制度は申請拒否処分について機能しない。当該処分の執行停止は、拒否処分前の状態(申請があった状態)に戻ることを意味するが、執行停止決定に従い行政庁が改めて処分をやり直す制度が存在しないからである。櫻井敬子−橋本博之『行政法』第5版(2016年、弘文堂)316頁、塩野宏『行政法U』第6版(2019年、有斐閣)220頁参照。

3) 誤り。処分の取消訴訟は、処分又は裁決があったことを知った日から6か月以内に提起しなければならない(14条1項本文)。申請拒否処分の取消訴訟には、出訴期間の制限がある。

4) 誤り。この場合訴えの利益(狭義)がなくなるという点は正しいが、訴えの利益がなくなるということは訴訟要件を欠くことになるので、棄却ではなく却下判決が出される。前掲櫻井他266頁。

5) 誤り。取消判決には拘束力(33条1項)が認められるが、この結果「同一事情、同一理由、同一手続による同一内容の処分の繰り返しは許されない」(前掲櫻井他313頁。拘束力に含まれる反復禁止効)と解されている。そのため同一事情であっても、裁判所が判決理由中で認定したのと別理由や別手続によれば、同一の処分をすることを妨げないと解されている(なお塩野は、反復禁止効を既判力で説明していることに注意〔前掲塩野201頁〕)。